さて、本日も紀伊半島からお送りいたしましょう。
とはいうものの、三重県、とか、名張市、とか、そういう地名は絶対つかわない、と決意してみても、世の中なかなか思いどおりにはまいりません。
こんな文庫本が出たんですけど。
▼新人物往来社:三重県謎解き散歩
とはいうものの、さっき近所の本屋さんをのぞいてきたところ、どこにもみあたりませんでしたし、三重県以外でもあまりみかけないだろうなとも思われますけど、とにかくこの本に乱歩のことをちょこっと書きました。
三重県がどうこう、という本ですから、あれこれ地名を出さないわけにはまいりません。
書き出しはこんな感じになってしまいました。
日本に探偵小説の基礎を築いた小説家・江戸川乱歩は三重県にゆかりが深い。乱歩の本名は平井太郎。明治二十七年(一八九四)に名張で生まれ、翌年、亀山に転居、三十年には名古屋へ引っ越したから、県内で育ったのは生後三年に満たない期間だったが、平井家は七代にわたって津藩に勤めた家系だった。
なんかもう、県内地名の椀飯振舞となっております。
といったところで、尻ぬぐいの話に移行するわけですが、それにしても悩ましい。
自分のことならどうにだってなりますけど、名張市立図書館の問題、乱歩関連資料の収集をどうするかという問題であり、名張市立図書館にいろいろ真剣に考えてもらわなければならない問題でもあるんですけど、なんにも考えてくれませんから悩ましい。
どうして、なにも考えてくれないのか。
これもまた悩ましい問題なんですけど、結論としては、そういうものである、とあきらめてしまうしかないようです。
つまり、お役人というのは、そういうものである。
お役所というのは、そういうところである。
これがまあ、乱歩生活二十年、そのあいだには三重県や名張市の乱歩にかかわりのある事業にも首をつっこんできた人間が、最後にたどりついた結論です。
結局のところ、今後のことはどうすればいいのか、みたいなことは、名張市立図書館が考えるべきことであって、なにも考えない、というのであれば、それはそれでしかたがないことでしょう。
むろん、乱歩関連資料の収集にかんして、私なりの考え、というのはむろんあって、それは名張市立図書館が発行した三冊の目録に示されているわけなんですけど、そうした考えには立たない、と名張市立図書館が判断したのであれば、私にはもうなにもいえないわけです。
そもそも、乱歩関連資料を収集する、というのであれば、乱歩という作家とその作品について知ることが必要になる、というのが私の考えであり、それはたとえば図書館法に照らしても、いやいや、そんなものをわざわざもちださなくたって、ごくあたりまえでまっとうな考えであるわけですが、お役人やお役所には、一般的な常識というやつは通用しません。
巷間、お役所の常識は世間の非常識、などとささやかれていることは、ほかならぬお役所のみなさんもよくご存じのところでしょう。
しかし、だからといって、それで納得をえられるものかどうか、というのはまたべつの問題です。
私自身は、お役所ってのはそういうとこだから、とあきらめてしまっても、名張市立図書館が乱歩関連資料を収集している、ということをご存じのかたは、もとより少数ではありますけれど、全国に確実に存在していますから、そういうみなさんは、名張市立図書館が乱歩にかんしてなぜなにもしないのか、お役所ってのはそういうとこだから、といわれたって、とても納得できない、ということになるはずです。
げんに、まあ最近では、年に一、二回、といったところですが、なんらかのかたちで、私のほうにそうした疑問や不審が伝えられてきて、いやー、なんとかしないとな、という気にはなるものの、私にはなんの権限もありませんから、結局、名張市立図書館にはなんの動きもない、という状態が持続しているわけです。
しかし、いくらお叱りをいただいても、私にはたとえば、先日も記しましたけど、おわびのメールを送信する程度のことしかできません。
いやー、なんとかしないとなあ、とか思いつつ、無力感にまみれてしまうなあ、とも思いつつ、幻影城プロジェクト、どうなるのかなあ。
きょうも憂鬱だなあまったく。
寒いとどうしても、考えることがちぢこまってしまうからなあ。
しかし、寒さのせいだけじゃないだろうなあ。
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