2ちゃんねるの例のスレ、そこそこ盛りあがって二スレ目に突入しております。
▼芸能・音楽・スポーツ ニュース速報+@2ch掲示板:【文芸】四半世紀ぶり東西ミステリーベスト!国内編1位は横溝正史『獄門島』 海外編1位アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』★2
乱歩の出てくるレス。
──江戸川乱歩の「孤島の鬼」は泣いた
──乱歩はおもろないの?
──乱歩の「孤島の鬼」とか面白いけど、ほとんど冒険小説だもんな
──乱歩の「何者」という短編を立ち読みしたけど、
ボーンコレクター張りに病床から一歩も動かずに
犯人を推理する探偵小説ファンの青年と、
明智小五郎との推理合戦、最後のどんでん返し、
現代の日本人には思いもつかない動機など
非常におもしろかった。
今でも十分通用する。
まったくもってそのとおり。
乱歩はいまでもじゅうぶん通用するんですけど、どうやって通用させたらいいのかさっぱりわかんない、というのが、ここ名張市あたりのおまぬけな情報発信の実態です。
怪人二十面相のかっこうでそのへんぐるぐる走り回っても、そんなの情報発信でもなんでもありません。
大丈夫か実際。
とかいってるあいだに、こんなニュースが発信されてました。
▼47NEWS:AKBのサイン偽造容疑で逮捕 三重の男性が6万円で落札(2012年12月14日)
うーむ。
伊賀の文化を発信、とはまさしくこのことか。
いや、ちょっとちがうか。
それにしても、三重県伊賀市の六十二歳の男性がAKBがらみのバッタモンを六万円で落札した、というんですから、ふところの温かいひともいるものです。
しかし、この記事のおかげで、伊賀という地名をひろく発信できたことになり、しかも、伊賀市では六十代が元気です、という力強いイメージまで発信されたんですから、もう万々歳、あっぱれみごとな情報発信だ、というしかなく、伊賀市のみなさんはさぞやお喜びのことでしょう。
ことほどさように、世にいう情報発信ってのは、要するに、売名のことなわけです。
発信に値する情報なんてなんにもないくせに、それでも情報発信に妙に執着していらっしゃるみなさんは、とどのつまり売名に必死なみなさんである、ということでしょう。
私なんて、なんつったって伊賀の忍びの末裔として、できるだけ気配を消して生きていたいと思ってるわけですけど、世の中にゃ小つまらぬ自己顕示欲にふりまわされる人間が結構いるもんです。
だからもうね、売名の片棒なんて担いでやんねーからな、みたいな気にもなり、最近の私ったら、乱歩の生地を紹介するにあたってもこんなありさま。
エドガー・アラン・ポーは一八〇九年、和暦でいえば文化六年、大西洋に開かれたアメリカの港湾都市で生まれた。八十五年後の明治二十七年、紀伊半島の小さな盆地に誕生した江戸川乱歩は、成長してポーを発見し、心酔のあかしにその名を継承した。ポーを始祖と仰ぐ探偵作家として、ポーが「ベレニス」に垣間見せた夜の夢のリアルを求めながら、しかし乱歩は危うく踏み迷う。ポーの明晰と冷徹から遠ざかり、探偵小説は二重身のような奇怪な相貌を帯びて乱歩の前に立ち現れる。
三重、とか、名張、とか、そんな地名はいっさい使用せず、紀伊半島ですからね紀伊半島。
こーいもーゆめものぞみもすーててー。
いーのちーかけるひじょーのおーきてー。
ばーか。
そーりゃキイハンターじゃろうがばーか。
とにかくな、三重県、とか、名張市、とか、もううんざりじゃ、みたいなことでな、情報発信という名の売名の片棒なんて、ぜーったい担いでやんねーからな、みたいな。
しかしまあ、それはそれとして、さ、尻ぬぐい尻ぬぐい。
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