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平成24・2012年12月7日 東京新聞(中日新聞東京本社)
乱歩の怪しい世界 人形使い演出 国立で18日まで
北爪三記
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2012年12月7日
「乱歩の小説は題材として面白かった」と話す石塚公昭さん
作家江戸川乱歩(1894~1965年)の小説を、乱歩の人形を使って写真で表現する作品展が6日、国立市中1のギャラリービブリオで始まった。人形作家で写真家の石塚公昭さん(55)=江東区=の作品は、乱歩の怪しい世界を活字と違った形で見せている。
(北爪三記)
石塚さんが二〇〇五年に出版した写真集「乱歩 夜の夢こそまこと」の中から二十二点を展示した。人形は、乱歩の写真を基にパルプ繊維と石の粉の入った石塑粘土を使い、四十~五十センチの大きさで制作。これを土蔵の屋根裏や古民家に置いたり、背景も自ら作ったりして撮影したほか、合成写真による作品もある。
小説「屋根裏の散歩者」を表現した作品は、隙間から明かりが差し込む暗い屋根裏で、乱歩人形がうずくまっている。ほかに「人間椅子」や「D坂の殺人事件」、「怪人二十面相」などがある。
実物の人形も一点展示した。作家夢野久作(一八八九~一九三六年)の人形に白衣を着せて古い柱時計の中に収め、作品「ドグラ・マグラ」を表現した。石塚さんは「乱歩はいろんなイメージを読者に与える。展示した作品を見て楽しんでもらえれば」と話す。
ギャラリーは築四十七年の民家で、会場は畳敷きの十四畳。石塚さんの大ファンというオーナーの十松弘樹さん(51)は「畳と土壁、木の天井が、怪しい効果をあげていると思います」。掘りごたつもあり、入って作品を眺めることもできる。
十八日まで、入場無料。午前十一時から午後七時で、水曜休み。最終日は午後五時まで。問い合わせは、ギャラリービブリオ=電042(511)4368=へ。
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