そんなこんなで、結局のところ、わが乱歩生活二十年はいったいなんだったのか、というと、名張市立図書館の尻ぬぐいであった、という結論に落ち着いた次第です。
ほんと、ふと気がついてみれば、みごとなまでに尻ぬぐいであったな、と思わざるをえません。
とはいえ、私には尻ぬぐいしかできなかった、というのもまた、まぎれもない事実でした。
尻ぬぐいに生きねばならぬさだめであった、みたいな。
そもそも、乱歩関連資料を収集します、と考えたのは私ではありませんし、実際に収集したのも、むろん私ではありません。
私はただ、巻きこまれただけです。
名張市立図書館が乱歩関連資料を収集してほぼ四半世紀を経過したころ、読書会とかでお茶にごしてないでもう少し図書館らしいことやったら? と軽く叱り飛ばしてやっただけなんですけど、その結果として、こんなことになってしまったわけです。
しかし、実際、ほっとくわけにもいかんかったからなあ。
とにかく、軽く叱り飛ばしてやったところ、図書館らしいことといわれても、なにしていいかまったくわかんない、というのが名張市立図書館のいいぶんであって、いやいや、それじゃまずかろーが、乱歩関連資料をただ収集いたしました、ってだけじゃまずかろーが、せめて目録のひとつもつくんないことには、市民にたいする申しわけってやつも立たんだろーが、という話だったわけです。
だから、とりあえず目録をつくろう、とアドバイスして、しかし、目録をつくる、という図書館としてあたりまえのことにさえ思いおよばない図書館に、目録をつくる、なんて芸当ができるわけありませんし、かりにつくれたとしても、なんの役にも立たんおそまつなものしかできないはずだ、と思われましたので、じゃ、つくってあげるから、ってんで作業に着手したわけです。
つまり、名張市立図書館がきわめて場当たり的に収集した資料を体系化する、という尻ぬぐいに巻きこまれてしまったわけで、ですから将来のことはあまり考えず、むしろ過去に眼を向けて、すなわち、名張市立図書館がそれまでに収集した資料に眼を向けて、必死になって目録をつくったわけなんですけど、ほんと、いまごろ気がついたのもおかしな話ですけど、ありゃほんと、尻ぬぐい、と表現するしかないことであったなあ。
なんか、ばっかみたい。
尻ぬぐい二十年のばか騒ぎ。
字足らず。
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