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Nabari Ningaikyo Blog
Posted by - 2024.11.25,Mon
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Posted by 中 相作 - 2012.11.04,Sun

 つづき。

 

 ど、ち、ら、に、し、よ、う、か、な、のつづき。

 

 どちらにするかを考えるのは、むろん私ではなく、名張市立図書館であったり、名張市教育委員会であったり、もしかしたら名張市であったり、そういった方面のみなさんのお仕事です。

 

 順序立てて申しますと、名張市立図書館は、初代館長さんの時代に、なんの方針も基準もなく、ただやみくもに乱歩関連資料を収集していたわけです。

 

 で、せめて目録つくんなきゃまずいぞ、そんなこともわからんのか、いったいなにやってんだばーか、ということで、目録を三冊、つくりました。

 

 目録は、長きにわたって乱歩関連資料を収集してきた、というのであれば、どうしたってつくんなきゃならないものでした。

 

 で、それが無事、できました。

 

 さあ、これからどうするよ、ということになります。

 

 ただやみくもに収集しただけの資料に、乱歩の自己収集を継承するかたちで、体系性を付与することができたわけですから、新たなスタート地点に立った、ということになります。

 

 このまま乱歩の自己収集を継承して、さらに乱歩関連資料を収集する、というのであれば、三冊の目録をとりあえず増補してゆき、いっぽうでインターネットも活用して情報の受発信を進めるのが望ましい。

 

 逆に、目録をつくって過去の収集資料を体系化できたのだから、それでけりをつけたことにする、という考えかたもあるでしょう。

 

 もしもいつまでも体系化に着手しなかったら、過去の資料収集はただの税金の無駄、ということになってしまいます。

 

 まったく無目的に、もとより方針も基準もなく、ただ適当に買い込んで死蔵してるだけ、というのでは困ったものですけど、所蔵資料にもとづいて目録を発行できたのですから、過去の資料収集を意義あるものにできた、ということになります。

 

 名張市民にも顔向けができる、ということにもなったわけですから、そこでピリオドを打つことも可能でした。

 

 つまりは、ここらでいちど、見直してみようね、ということになります。

 

 私個人の考えはどうであったか、というと、ごくあたりまえの意見なんですけど、オンリーワンの図書館として、乱歩関連資料の収集と活用を、むろんインターネットも利用しながら進めるべきだ、とは考えていたのですが、しかし、現実的な問題として考えた場合、名張市立図書館にはそんなあたりまえのことがとてもできないみたいだな、なにしろ、長きにわたって乱歩関連資料を収集しておきながら、目録をつくる、という当然のことさえ思いつかず、乱歩作品の読書会みたいなことでお茶をにごすのが関の山なんだからな、とも思わざるをえませんでした。

 

 しかし、決めるのは、私ではありません。

 

 名張市立図書館や名張市教育委員会はどう考えるのか、ということを私から質問する、ということしかできません。

 

 ところが、そうこうしてるうちに、というのは、三重県と伊賀地域旧七市町村が血税三億円をどぶに捨てた「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」の一環として『子不語の夢 江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集』を刊行した年、すなわち2004年のことでしたけど、中庭に乱歩生誕地碑がある桝田医院第二病棟を名張市に寄贈したい、という話がもちあがりました。

 

 ある日のこと、桝田敏明先生のご遺族から拙宅にお電話をいただいて、かくかくしかじか、とのことでしたから、名張市にそのまま、かくかくしかじか、と申し送って、結局、ご寄贈いただくことになりました。

 

 私は名張市にたいし、桝田医院第二病棟をどう活用するか、ひろく全国から意見を募ってじっくり考えればいいのであるが、名張市としても腹案を用意しておく必要があるから、とりあえず乱歩の生家を復元する、というアイデアを提供しておきました。

 

 ところで、その当時、私はまったく知らなかったわけなんですけど、じつはここ名張市において、名張まちなか再生プラン、とかいうやつの策定が進められておりました。

 

 年が明けて2005年、プランの素案が公表されて、パブリックコメントの募集がはじまったのですが、素案に眼を通してみたところ、乱歩が生まれた新町に残る細川邸を歴史資料館として整備し、乱歩関連資料などを展示する、などとあほなことが書いてある。

 

 だというのに、前年に寄贈を受けた桝田医院第二病棟の活用については、なぜかひとこともふれられていない。

 

 こりゃまずかろう、と思い、プランにたいしてパブリックコメントを提出したのですが、それからというもの、なんだかばかみたいなてんやわんやがくりひろげられることになりました。

 

 てんやわんや、というのは、べつに乱歩がどうのこうの、ということではまったくなくて、要するに意思決定プロセスの問題です。

 

 ほんと、ちゃんと考えて、ちゃんと決める、ということが、名張市のお役人さまにも、お役人さまと癒着結託しているとってもあれな市民のみなさんにも、まったくできないわけです。

 

 そういった人間のことを、ここ名張では古くから、ひらがなふたつで、あほ、と表現しているわけなんですけど、ほんま、あほ、としかいいようがない。

 

 むろん、うすらばか、でも結構です。

 

 うすらばかがうすらばか集めてなんの騒ぎだ、でおなじみの、あのうすらばかです。

 

 名張まちなか再生プランというのは死ぬほどおそまつな内容で、げんにプランに記されたことはなにひとつ実現されなかったわけなんですけど、乱歩がらみでとくに問題だったのは、新町の細川邸には蔵がふたつもあるんだから、そのうちのひとつくらい乱歩がらみで活用することを考えなきゃだめじゃん、なんでその程度のことも考えつけないのか、ということでしたので、むろんパブリックコメントでもその点を指摘したのですが、名張まちなか再生プランの関係者にはまったく理解できなかったようでした。

 

 さーすが、あほ、あるいは、うすらばか。

 

 いっぽう、名張市立図書館はどうであったか。

 

 ちゃんとやる、というのであれば、ネットも利用しながらちゃんとしよう。

 

 ちゃんとできない、というのであれば、乱歩関連資料の収集はおしまいにしよう。

 

 さて、ど、ち、ら、に、し、よ、う、か、な?

 

 しかし、結局のところ、名張市立図書館や名張市教育委員会には、判断もできなければ、決定もできなかったようでした。

 

 判断や決定の以前に、まず理解ができない。

 

 乱歩関連資料の収集、というのがどんなことなんだか、それが理解できない。

 

 それどころか、三冊の目録の内容が理解できない。

 

 だから、まともな答えなど、出てくるわけがありませんでした。

 

 さーすが、以下略。

 

 つづく。

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