書籍
妹尾アキ夫探偵小説選 論創ミステリ叢書55
妹尾アキ夫
平成24・2012年9月10日初版第一刷 論創社
A5変型判 カバー 352ページ 本体3600円
関連箇所
牛鍋
評論・随筆篇 > p329ー331
初出:別冊宝石 昭和29・1954年11月号(第7巻第9号)
解題
横井司
p332ー352
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牛鍋
はっきり思いだせない。大震災より前だったのか、後だったのか。場所はたしか赤坂見附へんの、濠を渡った、暗い森の中の料理屋の離れだった。
集まったのは十五六人、誰々だったか、正確には分らない。司会者は森下雨村だった。(探偵作家クラブの名誉会長は、二人でもいいのだから、この人もすいせんすべきで、この人が名誉会長でないのは、間違っているのだ)。こんな時よく顔を出す長谷川天渓は見えなかったが、馬場孤蝶はいたようなきがする。大阪神戸から、江戸川乱歩と横溝正史が遊びにきたので、みんなですきやきをつつきながら、飲もうと云うのであった。
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解題
横井司
1
第二次世界大戦前・戦後にかけて数多くの訳筆をふるい、日本の探偵小説文壇に寄与した妹尾アキ夫は、一八九二(明治二五)年三月四日、岡山県津山市に生まれた。本名・韶夫。鮎川哲也がまとめた未亡人へのインタビューによれば、妹尾家は津山藩士で、長兄は職業軍人だったという(鮎川哲也「気骨あるロマンチスト・妹尾アキ夫」『幻影城』一九七六・五。以下、引用は『幻の探偵作家を求めて』晶文社、八五から)。
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