つづき。
要するに、最初の第一歩がまちがってたら、まちがった方向にそのままずーっと歩きつづけるしかない、ってのがお役所ってとこであって、進路の修正なんて不可能なのよね、という話のつづき。
最初のまちがいってのは、資料収集のしの字もご存じないかたが名張市立図書館の館長に就任した、ということではなくて、その館長さんがなにもお考えにならなかった、そこらの高校の図書委員にもふつうに考えられることに、まったく考えがおよばなかった、ということです。
資料がどうの、収集がこうの、そんなのはじつは些細なことであって、というのも、資料収集にかんする知識や能力なんて、あとからいくらでも身につけられるわけです。
だいじなのは、乱歩の本を集めまーす、と決まったら、じゃ、乱歩のことをよく知らなきゃ、とたちどころに反応できるかどうか、その一点よね。
そこらの高校の図書委員だったら。すぐさま反応できるはずです。
なぜか、というと、そんなのはごくあたりまえのことだからです。
ところが、そんなごくあたりまえの反応が、名張市立図書館にはまったくできませんでした。
ひどい話です。
そこらの高校の図書委員だったら虚心に乱歩に向き合っていたはずなのに、どうして名張市立図書館のいい大人にはそれができなんだのか。
乱歩のことを知りもせずにこら、乱歩の本が集められると思うておるのかこら。
図書館のお仕事なめてんじゃねーぞ腐れ公務員。
まったく、そこらの高校の図書委員にもわかることが、全然わかんなかったっていうんだからなあ。
ほんと、毎度ひきあいに出すけれど、図書館法に照らしたって、名張市立図書館よりはそこらの高校の図書委員のほうが、よっぽど図書館の精神とでも呼ぶべきものを体現できとるぞこら。
恥ずかしいとは思わんのか。
恥ずかしいとは思わんのであろうな。
まったく、信じられんような話だな。
しかし、そういった信じられんような話の帰結として、現在ただいまの名張市立図書館の惨状があるわけです。
でもって、その惨状は、名張市立図書館が乱歩関連資料の収集を開始した時点で、すなわち、まちがった方向に踏み出した時点で、すでにして約束されておった、ということになるわけです。
そのあたり、私はちょっと、見通しが甘かった、というか、お役人さまの無能と怠慢をみくびっておった、というか、そんなような感じなのよね。
最初の第一歩がまちがっておっても、多少はなんとかなるのではないか、名張市立図書館がまちがった方向へ進んでいても、なんとか進路を修正することは可能なのではないか、と思っていたのですが、結局、そんなことはありませんでした。
そんなことはまったくなくて、絶対に不可能だ、と最終的にわかったのは、きのうも記したことですけど、要するに、乱歩関連資料の収集ってのは、名張市立図書館にとってはもう主体的な問題じゃないんだ、ひとごとでしかないんだ、ということがはっきりとわかったからです。
どうしてわかったのか、というと、ことは簡単、名張市立図書館から、つい最近、乱歩関連資料のことは、やってくれるひとがあったらやってもらいます、という腰を抜かしそうになるほどとんでもない表明があったからなのね。
大丈夫か。
つか、あほ?
開館以来、営々孜々として乱歩関連資料を収集し、移転改築にあたっては、館内に乱歩コーナーまで開設した名張市立図書館が、そこまで主体性を放棄してどうするよ。
乱歩のことは手前どもには関係ございません、とか口走ってしまってどうするよ。
やってくれるひとがあったらやってもらいます、ということは、やってくれるひとがないんだったらやりません、手前どもはなにもいたしません、ということなわけ。
いやー、えらいことです。
初代館長さんの時代からえらいことであったのに、そのあとさらにえらいことになっとります。
名張市立図書館、二段ロケット方式でまちがった方向へ驀進しているわけです。
最初のロケットでは、乱歩を知ろうとせずに乱歩関連資料を収集する、という完全にまちがった方向へ進んでしまったわけですけど、それでもまだ、かろうじて当事者意識はありました。
ところが、初代館長さんが定年退職された時点で、名張市立図書館には、乱歩関連資料の収集にかんして当事者意識をもった人間、というのがいなくなってしまったわけです。
二段目のロケットに点火されて、なんかもう無茶苦茶。
資料収集のしの字も知らない図書館が、乱歩関連資料を収集しておりまーす、と曲がりなりにもゆうておった段階からさらに飛躍して、いまや主体性や当事者意識なんかきれいさっぱりかなぐり捨てられ、乱歩関連資料の収集は手前どもには関係がございません、と堂々と表明する、みたいなことになってしまったわけです。
ご希望のかたがあればお願いしてもいいんですけど、ただし図書館に迷惑はかけないでくださいね、みたいなことになってしまっているわけです。
あちゃー、ここまで恥知らずに主体性放棄すんのかよ、と私は思いました。
お役所のみなさんが主体性を放棄して責任を回避するのは当然といえば当然のことなんですけど、いやー、ここまでやるのか、と思わざるをえませんでした。
お役所のみなさんのここまで常軌を逸した主体性放棄は、つらつら思い返しますに、過去にもただいちどだけ、経験したことがあります。
みごとなまでの大失敗に終わった名張市のまちなか再生事業におきましては、うすらばかがうすらばか集めてなんの騒ぎだ、でおなじみだった名張まちなか再生委員会から、あろうことかあるまいことか、委員会を発足させた名張市が、ただひとこと、引きます、といってすたこら逃げてしまったものでしたが、あれとおなじレベルで常軌を逸した主体性放棄を、名張市立図書館は平気でやってくれておるわけです。
いやー、ひどいものだな名張市立図書館。
ひどいひどい。
死ぬほどひどい。
ほんと、ほんとにいちど、こら初代館長呼んでくるかこら。
てゆーか、そんなことよりむしろ、あまりにも常軌を逸した主体性の放棄にかんして、そろそろ市長判断をお願いしてみたほうがいいのかしら。
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