つづき。
名張市立図書館が乱歩にかんする目録をネット上に公開しなかったのは大正解だった、という話のつづき。
むろん、本来は正解ではなくて、インターネットを活用した情報提供は、図書館のサービスとしてごくあたりまえに進められるべきです。
当時の私もむろんそう考えていて、なればこそ、二冊目の目録ができたあとと、三冊目のあと、二回にわたって提案した次第でした。
しかし、きのうも記しましたけど、そんなことしてしまったら、将来にわたって目録の増補をつづけなければなりません。
そこらの高校の図書委員なら、簡単にできることでしょう。
乱歩関連資料を収集する、という方針が打ち出されたあと、自分たちがなすべきことをちゃんて考えて、ひとまかせにすることなく、自分たちで資料の収集と体系化を進めてきた図書委員会なら、リストにもとづいて目録をつくり、その目録をネット上に公開して、増補をつづけてゆく、なんてのは不可能なことではまったくありません。
てゆーか、こんなものは、可能か不可能か、の問題ではなくて、できてあたりまえ、できてなきゃおかしい、みたいな話です。
ただしそれは、そこらの高校の図書委員会がやるであろうように、内発的な一連の作業として継続されている場合です。
ところが、名張市立図書館の乱歩関連資料の収集には、内発的なものなどどこにもみあたりません。
せいぜい、乱歩関連資料を収集しよう、という思いつきが内発的なものであった、といえる程度で、あとはもうなんにもない。
なにも考えようとせず、なにも決めようとせず、以下略しますが、ただうわっつらをかいなでするだけの資料収集をつづけて、収集した資料のリストさえつくろうとしない。
なんなんだよいったい。
せめてリストくらいつくれよ。
図書館が体系化への情熱を失ってどうするよ、とは思いますけど、体系化への情熱なんてもともと、かけらほどもありゃせんかったわけです。
ですからまあ、ネット上で目録を増補するなんて、およびもつかない。
そこらの高校の図書委員なら、簡単にできることでしょう。
目録のテキストデータはすでにありますから、おなじ高校にインターネット関連の科目かクラブがあれば、その生徒にも協力してもらって、目録をネット上に掲載し、たとえば乱歩の本が新しく刊行されたら、そのデータを書き加えてゆく、なんてのは朝飯前のお茶の子さいさい。
図書委員会に新人が入っても、目録を手がかりとして、資料収集のバトンをしっかり受け取ることができます。
しかし、名張市立図書館の場合、そんなことはいっさいできません。
ほんとにな、ほんっとーにな、いっそもうすがすがしいくらいほんとになんにも考えることなく、以下略しますが、とにかくできません。
むろん、目録三冊のデータをネット上で公開することは、いくらなんでも可能です。
ただし、ネットで公開する作業は、業者に外注することになります。
高校生にもできる作業をどうして外注するのか、と疑問にお思いのかたもおいででしょうけど、それがお役所です、としかいいようがありません。
できるだけ働かない、というのがお役所のみなさんのモットーのひとつですから、名張市立図書館のみなさんも、自分たちでやれば済むことをいちいち外注することになります。
ま、外注であれなんであれ、紙に印刷した既存の目録の内容をネット上で公開する、ということは可能なんですけど、しかし、残念ながら増補ができません。
乱歩のことを知らず、乱歩作品を読もうともせず、場当たり的なことしかできないんですから、既存の目録に示されたレベルの資料収集なんて、とてもできません。
できるわけねーじゃん。
というわけで、ネット展開しなかったのは大正解でした。
じつはこの問題につきましては、以前にはよく、どうして名張市立図書館はネット展開しねーの? と疑問や叱責をいただいておりましたので、つまり、それほどあたりまえで、乱歩のファンや関係者から期待されていたことではあったんですけど、ま、そういうわけですから、どちらさまにもご了解いただきたいなと思います。
ほんと、資料収集のしの字も知らない図書館なんですから、どうぞご勘弁くださいな。
いやー、公立図書館としては、穴があったらはいりたいほどの赤っ恥ですなあ。
もう好きなだけ穴にはいってきたらどうよ。
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