つづき。
そこらの高校の図書委員にできることが全然できてなかった名張市立図書館をいいだけ叱り飛ばしてやりました、という話のつづき。
ですが、つづきのまえに、先日もお願いいたしましたが、どうぞふるってご応募ください、と再度お願いしておきたいと思います、なんちゃって。
▼毎日jp:仮装コンテスト:なりきって怪人二十面相、なんちゃって 名張で開催、まちづくり推進協「独創的な衣装に期待」 /三重(2012年10月5日)
ついでにもうひとつ、きょう7日はポーの命日となっております。
▼チケットぴあ:間もなく命日。謎の死を遂げた推理作家、エドガー・アラン・ポーとは?(2012年10月5日)
「またポーは息をひきとる寸前に“レイノルズ”という人物の名前を繰り返し口にしていたそうで、この人物が一体、誰を指すのかも、いまだに研究対象になっている」とのことですが、乱歩は「ポーの百年忌に」にこう記しています。
六日の夜は彼の唯一の長編「ゴードン・ピム」の南氷洋の暗黒の海で難船している夢を見ていたらしく、部屋の外に響き渡る恐ろしい声で「レイノルズ」「おお、レイノルズ」と叫びつづけた。(「ゴードン・ピム」)に引用されている南極探検家の名)
乱歩が書いてる説は、説得力というやつにいささか欠けるような気もします。
さて、毎度おなじみなんちゃって名張市立図書館には資料収集のしの字も理解できておりませんでした、という話のつづきですが、その昔、初代館長さんから乱歩作品の読書会をやりたいから、その講師をやってくんない? とご依頼をいただいて、速攻でお断りした、という話はもうさんざっぱら、あっちこっちで口走ったり書きなぐったりしてきましたからもういいや、ということにはせず、しつこくもまた記す次第ですが、その翌年、もういちど依頼されて、ああ、そろそろ乱歩生誕百年だから、名張市立図書館としてもせめて読書会でもやってないとかっこつかないのか、と慈悲深く思いめぐらせて、二年だけ、という約束で読書会の講師をお引き受けしたわけです。
二年だけ、の二年目が、乱歩生誕百年の年でした。
ところが、二年目が終わって三年目にも読書会が開催されることになっていて、それで私は激怒したんよ。
約束はきちんと守りましょー、みたいなことは小学校低学年のお子供衆にだってわかってもらえる理屈でしょう。
そんな簡単な理屈がなぜわからんのだ。
三年目のことなんて知らねーやばーか。
おまえらで勝手にやってろ。
とかいって図書館職員を叱り飛ばしたのですが、そのときにはたしか初代館長さん、すでに定年で退職なさっていたと記憶します。
しかし、考えてみればすごい話です。
名張市立図書館の開館は、乱歩の死から四年目のこと。
それから生誕百年を迎えるまでの長きにわたって、乱歩関連資料を収集しています、といいながら、なにも考えず、なにも決めず、古書と新刊を場当たり的に購入して、ただ並べとくだけ、みたいなことしかできてなかった。
しかも、そのことを指摘したり批判したりする人間が、ただのひとりもおらんかった。
ほんとにすごい話で、田舎のお役所ってのは、想像を絶するくらいに無茶苦茶なわけです。
で、名張市立図書館の歴史においてはじめて、ばかかこら低能、と叱り飛ばしてやったのが私でした。
おまえらはいったいなんなんだ。
かりそめにも図書館であろうが。
図書館だったらどうして図書館本来のお仕事をしようとせんのか。
読書会なんかでお茶にごしてんじゃねーよばーか。
日本でただひとつ乱歩関連資料を収集している図書館なんだから、ばかがこらご町内だけ相手にして読書会でございますとかばかがこら、なんでそんなあほなことしかできんのじゃ、ま、あほやからしゃーないか、けけけ、ばーか、とか叱り飛ばしてやったら、なにやっていいのか全然わかりません、なんとかしてくれませんか、とのことでした。
知らんがな。
いまごろなにあほなことゆうとるとね。
そんなことはそもそも、開館の時点で考えられてにゃならんことやがな。
乱歩関連資料を収集します、とぶちあげた段階で、ちゃんと考えて、ちゃんと決めとくべきことやがな。
自分たちが考えるべきことをなんにも考えず、乱歩という作家にまともに向き合おうともせず、ただただうわっつらだけをとりつくろい、その場しのぎですべてをごまかし、あげくのはてはなにやっていいのかわかんない、と来たもんだ。
ばかがこらいくら手前どもはなにも考えないことにしております、というのが公務員の王道であるといってもだなあ、そこらの高校の図書委員でも考えられることくらい、ちっとは考えてみろよこの低能図書館。
いやー、こうやって書いてるだけで、名張市立図書館のあまりのあほさに激怒した思い出がまざまざとよみがえってきて、あらためて怒りが爆発するのをおぼえます。
ふつふつと、むらむらと、怒りがこみあげてきてしかたなかばい。
それでまあ、名張市立図書館から泣きつかれて、収集資料の活用に道を開くためにはやっぱ、目録のひとつもつくんないとね、という流れになったわけです。
むろん、そこらの高校の図書委員でも、そうしていたはずです。
乱歩の自伝を読んで、乱歩の本のリストをつくり、乱歩の作品のリストをつくり、関連文献のリストをつくっていたわけですから、それが目録作成という作業に発展する、というのはごく自然な流れです。
ほんと、高校生でも考えられることが、どうして名張市立図書館には思いつけなかったんだろうな。
図書委員がリストをつくった、というのはどういうことか、というと、情報を共有する、ということです。
たとえば図書委員会に新人がはいってきても、そのリストをみさえすれば、乱歩関連資料の収集ということが、具体的にわかります。
なにを集めればいいのか、これまでにどんな資料を収集してきたのか、そういったことが新人にもよくわかりますから、新しい図書委員としてその作業を継続することが可能です。
で、リストに蓄積されたデータをより多くのひとに共有してもらいたい、と考えた場合には、目録として公刊すればいい、ということになります。
乱歩生誕百年を記念して目録つくりまーす、みたいなことになっても、ふしぎでもなんでもありません。
ごく自然な展開です。
ところが、名張市立図書館ったら、そんなこといっさいしようとしないのね。
ほんとにもう、なんにも考えない。
考えようとしない。
考える能力がない。
考えるために必要な知識を身につけようともしない。
ばかとしかいいようがない。
自分たちはなにも考えようとせず、なにもしようとせず、なにかあったらすぐひとを頼りにする。
そんなことなら最初っから、乱歩関連資料を収集します、などと思いつかなければいいのである。
思いついたのであれば、ほんとにそこらの高校の図書委員レベルでいいから、自分たちで考えて、自分たちで決めて、決めたことを着実に進めてゆく、みたいなことをちゃんとやんなきゃだめじゃん、ってことになるんだけど、そんなことには全然なんないのがお役所ってとこなのね。
それでまあ、名張市立図書館は乱歩の目録をつくります、ということにしようぜ、ということで話をまとめました。
私だってじつは全然で、探偵小説のことはあんまり、古書のことはまったく知らなくて、むろん書誌にかんする知識も皆無だったんですけど、そんなのはいくらでも身につけることが可能ですから、とりあえず、まさしくそこらの高校の図書委員のごとく、乱歩の自伝からリストをつくる、ってとこからスタートして、なんかもう死にそうになりながら、なんとか二冊、目録ができあがりました。
その時点で、目録の内容をネット上で公開するべきだな、と考えました。
図書館のサービスとしてネットを活用する、というのはそろそろあたりまえのことになりつつありました。
それから、目録なんてのは不備や遺漏がつきものですから、それを指摘してもらって内容をより充実させることが必要でしたし、さらには、三冊目の目録はネット上で情報収集しながら編纂したいとも考えましたので、目録のネット展開はぜひとも実現すべきことでした。
しかし、そのための予算を要求しても、実現にはいたりませんでした。
そのときには、どうしてこんな当然の提案が通らないのか、と思い、しかし将来的には実現できるだろう、とも考えて、とはいえいまも記しましたとおり、目録の増補と編纂のためにはネット展開が不可欠でしたから、とりあえず自分でサイトをつくり、確信犯的に著作権を侵害して目録をネットで公開しました。
おかげで一冊目と二冊目の不備を補うことも、三冊目の情報収集を進めることも、おおいにはかどったものでした。
しかし、いまとなっては、名張市立図書館が目録の内容をネットに公開しなかったのは、まぎれもなく正解だった、といわざるをえません。
つまり、先日も記しましたけど、当時は先のことなんかまったく考えてなかったんですけど、つらつらおもんばかりますに、将来にわたってネット上の目録を増補しつづける、なんて芸当は、名張市立図書館にはとても不可能だからです。
開館当初の段階で、そこらの高校の図書委員にでもできることをまったくしなかったばっかりに、つまり、乱歩の自伝を起点として乱歩の自己収集を営々孜々として継承する、というただそれだけのこと、図書館として当然のことをしなかったぱっかりに、名張市立図書館はもうどーしよーもねーんだよばーか、みたいなことになってしまっております。
しっかしほんとにどーしよーもねーなー。
つづく。
しつこくつづく。
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