さて、幻影城プロジェクトの件ですが、お察しのいいかたは、このプロジェクトがかつてのじゃーん、名張市は乱歩から手を引けキャンペーンのひそかな後継であることにお気づきでしょう。
あのキャンペーンの当時、名張市ってのはそれはもう、ほんとにばかなことして赤っ恥ばっかかいてましたから、私といたしましては、お願いだからもう乱歩から手を引いてくんない? みたいな感じだったわけです。
ばかなことってどんなこと? と名張市の恥ずかしい過去をご存じないみなさんのために、あえてひとつだけ、過去の事例をごらんいただくとすれば、やっぱこれでしょう。
あのときの衝撃はいまもまざまざとよみがえりますけど、ああ、こりゃいかんな、名張市もおしまいだな、官民双方のうすらばかがいいようにつるんで、ここまでばかなことやって赤っ恥さらされちゃたまんねーなー、と私が思ったのも無理からぬ話だとお考えください。
ついでですから、こっちもリンク。
▼名張人外境:エジプトの怪人たち
投稿のひとつで、怪人19面相を名乗る人物が、
「そもそも江戸川乱歩みたいなものどうでもええねん。20面相のキャラで又スフインクスのナンチャッテ写真で公益活動を実践しているのだから貴様につべこべ言われる筋合いとちがうねん!」
などという雄叫びをあげてくれておったわけですけど、どうだ親分、元気にしとるか、みたいなことはどうでもいいとして、なあ名張市役所のみなさんや、みなさんもよくご承知のところだと思いますけど、行政がばかだとかくのごとく程度のわるい市民がいいようにつけこんでくるわけっすよ。
しかもこの雄叫びは、程度のわるい市民のみならず、じつは名張市という自治体における乱歩関連事業の本質を示すものでもありました。
乱歩なんてどうでもいい。
しかし、名張市に生まれたことは事実なんだから、乱歩というビッグネームを好きなように利用してどこがわるい。
それが本質であり、本音であるわけです。
官民双方、その程度のおつむしかありません。
そりゃまあ、好きなように利用すりゃいいじゃん。
二十面相のキャラをつかってスフィンクスのペンキ絵を掲げ、血税どぶに捨てて公益活動とやらをやらかします、という提案に名張市がゴーサイン出したんだからそれでいいじゃん、と強弁するならそれでいいじゃん、ということにしておきましょう。
しかし、それでなにかが、どうにかなったか?
名張市が乱歩生誕地として名をはせる、みたいな結果がもたらされたか?
たとえば、乱歩関連事業のミステリ講演会でございます、みたいなことを二十年もつづけて、それでなにかが、どうにかなったのか?
てゆーか、講演会がおしまいになりました、ということすら公表しようとせず、名張市の公式サイトはこんなざまじゃねーか。
▼名張市:なぞがたりなばり
名張市のやることは、なんかほんと、謎だらけでございますなあ。
謎だらけではありますけれど、はっきりしておりますのは、ろくに乱歩のことを知らず、乱歩作品を読みもせず、ただの思いつきで乱歩関連事業をぶちあげて、とりあえずご町内でかっこつけられりゃそれで満足、煎じ詰めていってしまえば、乱歩なんてどうでもええねん、おれらがかっこつけられたらそれでええねん、みたいなことしかできておらんということです。
つい最近の乱歩狂言だって、いったいあれはなんだったのかしら。
みよ動員の底力、というのはよくわかりましたけど、一般市民の関心はまったくといっていいほど惹くことがなく、それこそご町内の身内ばかりが集まって乱歩関連事業をぶちかましました、という結果に終わってしまっただけやないの。
10月6日には乱歩狂言、塩竈市でも上演されるそうですけど、前評判は上々です、みたいな話はまったく聞こえてきません。
てゆーか、そもそもあんなのは、被災者をだしにし、復興支援にかこつけて、小つまらぬ自己顕示欲を満足させられりゃそれでいい、というだけの、その意味では名張市における乱歩関連事業の王道を行くものでしたけど、復興支援事業の押しつけはやめましょー、というものでしかなかったこともたしかでしょう。
なーにやってんだばーか。
だというのに、われらが名張市は、性懲り、ということを知らないのでしょうか。
ついに、とうとう、あらえっさっさ、来るべきものが来てしまたあるよぽこぺん。
これみるあるよろしぽこぺんぽこぺん。
▼名張市:怪人二十面相なりきりコンテストを開催
いやー、とうとう、ここまで、来てしめーやした。
これはいったい、ほんっとに、なんなんでしょうねまったく。
さっぱりわかりませんけど、しかし、少なくとも、このコンテストを企画した人間は、乱歩の原作なんてまったく読んだことがないのであろうな、ということはわかります。
名張市公式サイトには、こうあります。
(1)アイディア、華やかさ、衣装(帽子・めがね・マント等)、メイク、立ち振る舞い等、怪人二十面相になりきれているかを審査員と来場者の投票により審査
ここでひとつ、名張市のためにフォローしておきますと、最近「立ち振る舞い」ということばを眼にすることが増えて、どうも気にかかる、正しくは「立ち居振る舞い」ではないのか、とお思いのかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
じつは私も気になって、ちょっと調べてみたことがあるのですが、「立ち振る舞い」ということばはたしかに存在しているらしく、日本国語大辞典には「およそ、老人のたちふるまひ、老いぬればとて、腰膝を屈め、身を約むれば、花失せて、古様に見ゆるなり」という世阿弥の用例も引用されています。
ですから、「立ち振る舞い」は問題ないんですけど、なんで怪人二十面相が「衣装(帽子・めがね・マント等)」なんてことになってるのかな、という点が問題なの。
乱歩の原作には、怪人二十面相がそんな衣装を身につけていたとは、まったく書かれておりません。
とはいえ、たとえば最近の映画「ゴーストライターホテル」においても、カンニング竹山さんが帽子、眼鏡、マントを着用して乱歩を演じていらっしゃったそうで、私はこの映画のDVD、ちゃんと購入しながらいまだにみておらず、たぶん一生みることはないのではないか、とも思われるのですが、とにかくこんな感じだったみたいです。
つまりこのいでたち、怪人二十面相のいわばドレスコードとして定着しているわけなんですけど、しかしこれは、雑誌連載時に挿絵を担当した小林秀恒が、たぶんルパンあたりを参考にして描いた衣装であって、そこに乱歩の意図がかかわっていたのかどうか。
もしかしたら、乱歩自身の指定があったのかもしれませんけど、そのあたり、いまとなっては知ることができません。
それよりなにより、怪人二十面相という変装の名人になりきるコンテストだというのであれば、あたしは青銅の魔人よ、ぼくは宇宙怪人だい、あっしは魔法博士でごんす、みたいなことにしたほうが面白いのではないか、とも愚考される次第ですが、しかしそうなると、参加するほうも、審査するほうも、ともに乱歩の原作を読まなければなりませんから、そんなのはまず無理でしょう。
ま、ここ名張市において乱歩を素材にご町内イベントをぶちあげるとしたら、せいぜいがこの程度のことである、とご承知おきいただければ幸甚です。
ともあれ、参加者募集の締切は10月19日の金曜日、定員は二十組程度と、いかにもご町内イベントにふさわしいせこさですから、倉敷市真備町の「1000人の金田一耕助」にはちょっとおよばないかと思われますが、どうぞふるってご応募ください。
さてさて、ご町内イベントはまあいいとして、問題なのは名張市立図書館です。
ほかはどうでもいいけど、図書館くらいしっかりしてよね、とは思うのですけど、あろうことかあるまいことか、名張市立図書館も乱歩のことを知らず、乱歩作品を読もうともせず、そんな状態で乱歩関連資料の収集やってまーす、とかいってたわけです。
つか、いまもいってるわけです。
しかし、実際はこんな状態。
名張市立図書館は現在、江戸川乱歩関連資料の収集をおこなっておりません。
とても信じらんない、とおっしゃるかたもおありでしょうけど、なんのなんの、名張市だもの。
だから、もう、そんな大うそつくのはやめましょうねと、世をたばかるのはおしまいにしましょうねと、乱歩関連資料を収集するのなら乱歩関連資料を読まなきゃだめなんですよと、読まなきゃなんにもできないんですよと、図書館法にだって、収集した資料についてじゅうぶんな知識を身につけ、資料にかんする相談に応じて、ちゃんと目録もつくりましょうね、と規定されているわけなんですけど、名張市立図書館はそんな条文をいっさい無視して、てゆーか、図書館法があるってことすら知らないのかもわかんないけど、とにかく乱歩のことなんか知らないよ、知りたくもないわよ、というのであれば、もう正直に、名張市立図書館には乱歩関連資料の収集なんてとてもできません、ですからなにもいたしませんと、あしからずご了承くださいと、世間さまにそんなふうに発表して楽になったらどうなの? というのがかつてのじゃーん、名張市は乱歩から手を引けキャンペーンのメインテーマだったわけです。
そりゃまあ、図書館以外のセクションにおける乱歩関連事業も、とくに協働がどーたらこーたらわけのわかんないことほざいて程度のわるい市民につけこまれて満天下に赤っ恥さらしてるような事業なんてのは、できればやめてもらいたいな、とは思ってたんですけど、市長部局のことはどうしようもありません。
ですから、先日も記しましたとおり、とにかく図書館だけでも乱歩から手を引けぬかと、乱歩の遺産が立教大学に継承されたどさくさになんとかならぬかと、当時の教育長や図書館長に働きかけてはみたのですが、なんの効果もありませんでした。
冷静に振り返れば、なにも考えられず、なにも決められない、すべて先送り、なんてのはここ名張市においてあたりまえのことですから、教育長や図書館長に丸投げしただけ、ってのはみずから省みてまずかったよな、とは思います。
しかし、おかげさまで今回、ようやくのことに、幻影城プロジェクトの一環として、名張市立図書館の乱歩関連資料収集に終止符を打つことができるようになりました。
ご閲覧諸兄姉のなかには、終止符なんか打たずに、ちゃんと収集すればいいだけの話じゃん、とお思いのかたもおありでしょうけど、なんのなんの、名張市だもの。
これはもう、断定してもいいことだと思うんですけど、名張市立図書館にはまともに乱歩関連資料の収集を進めよう、という意志はまったくありません。
どうしてなのか、というのは私にもわからなくて、しいていえば、開館以来の伝統だ、ということになりましょうか。
とにかく、乱歩関連資料を収集するぞ、と目標を定めたのであれば、そのあとどんなことをすればいいか、なんてことはそこらの高校の図書委員のみなさんにだってわかりそうなものですけど、それが名張市立図書館にはわからなかったわけです。
乱歩のことを知る、乱歩作品を読む、というところからスタートしなければおはなしにならないというのに、それをいっさいしませんでした。
いまもそうですし、これから先もそうでしょう。
どうしてそんなことになってるのか、私にはほんとにわからないのですが、それは自分たちのやることではない、そんなことやんなきゃならない筋合いはない、とかたくななまでに思いこんでいて、要するに主体性を放棄しているわけです。
でもって、それが当然だと信じこんでいる。
そんなのは、もちろん、尋常なことではまったくないのですが、主体性を放棄することがお役人道の第一歩なんですから、横からなにいったってどうしようもありません。
つい先日、あやつり人形でーす、とみずから公表して伊賀市長選挙への出馬を表明したかたがいらっしゃいましたけど、あのかたも中学卒業から定年退職まで、ただひとすじのお役所人生だったそうですから、主体性なんてのは毛筋ほどももちあわせていらっしゃらないと思われますし、そういうかただからこそ、陰で絵図を引いてる愉快な仲間たちのみなさんから白羽の矢を立てられた、ということもあるのかもしれません。
そんなことはどうだっていいんですけど、乱歩関連資料を収集する、ってのは、いうまでもなく名張市立図書館の問題です。
名張市立図書館が主体的に考えて、進めなければならないことです。
収集するのか、しないのか。
収集するのであれば、どんな方針のもとに収集するのか。
収集した資料は、どんなふうに活用するのか。
そういったことを考えるのは、名張市立図書館なわけです。
名張市立図書館が主体的に判断し、決定しなければならない。
しかし、名張市立図書館は、実際には、なにも考えず、なにも決めようとしなかった。
乱歩のことを知ろうともせず、乱歩作品を読もうともしなかった。
開館以来の伝統としてそうであり、これからもそうでありつづけるであろう。
どうしてそうなのかは、私にはさっぱりわかりません。
てめーこら初代館長呼んでこいよこら、みたいな展開にもちこめばなにか判明するのかもしれませんけど、いまさらそんなことしてもしかたありません。
つまり、結局のところ、名張市立図書館にとって、乱歩みたいなものどうでもええねん、ということです。
むしろ、はっきりいって、たんなるお荷物、厄介ものになってる、といった観すらあります。
だったら、きれいさっぱり乱歩から手を引けばいいじゃん、と思うのですが、名張市立図書館はそれもしない。
てゆーか、ほんとになんにも考えない。
考える、ということをいっさいしない。
完全な主体性放棄を決めこんで、恬として恥じるところがない。
ですからまあ、とどのつまり、名張市立図書館にとって最善の道はどうよ、っつーことを私がすべて考えて、やっぱ、乱歩関連資料の収集なんて無理なことは、いやいや、無理でもなんでもなくて、ふつうの図書館だったらあたりまえにできてることなんですけど、名張市立図書館にはとてもできないことなんですから、もうおしまいにするしかないよね、という結論を論理的に導き出し、なおかつ、論理的な思考の過程をこうやってネット上で公開して、最終的な断として市長判断を仰ぐ、というところまでもっていってる最中でごぜーやす。
以上、幻影城プロジェクトの中間報告でした。
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