うっかりしておりました。
名張市が満を持して世に問う乱歩関連事業、乱歩狂言のお知らせをすっかり忘れておりましたので、きのう大あわてで告知のエントリを掲載いたしました。
▼2012年8月23日:創作乱歩狂言
ご用とお急ぎでないかたは、よろしかったらぜひどうぞ。
しかしなあ、9月1日の土曜日といえば、夏休みのおまけとなった土日を過ごすべく、親戚の子供が泊まりがけで遊びにくる予定になっておるではないか。
段取りわりーなー。
ちなみにこの乱歩狂言、10月に宮城県塩竈市、12月には東京都豊島区でも催されるそうですが、私見のいささかはこのあたりに記しました。
▼2012年7月13日:あーこれこれ名張市教育委員会のみなさんや
▼2012年7月21日:あーこれこれ名張市教育委員会のみなさんやふたたび
さて、名張市における乱歩関連事業の王道とも呼ぶべき名張市立図書館による乱歩関連資料の収集について、さらにいささかを述べましよう。
現況はこうです。
名張市立図書館は現在、江戸川乱歩関連資料の収集をおこなっておりません。
しかも、縷々お知らせしておりますとおり、名張市立図書館が乱歩関連資料にかんして、ちゃんと収集してちゃんと活用できるようになるのかというと、前途に希望はみえません。
いまだ鋭意検討中ではありますけれど、乱歩から手を引く、という結論にいたらざるをえないかもしれません。
こうなると、かえすがえすも残念なのは、手を引けるときに手を引いておかなかったという一事です。
といいますのも、立教大学が乱歩の遺産を継承することが本決まりになったとき、私はこれこそ名張市立図書館が乱歩からきれいに手を引ける唯一にして最大のチャンスだ、と思い、じゃーん、名張市は乱歩から手を引けキャンペーン、なるものを鋭意展開してもみたのですが、効果はまったくありませんでした。
もちろん、図書館と大学とでは、おなじく乱歩にアプローチするにしても、実際の事業内容には大きなちがいが存在しており、名張市立図書館がやるべきことを立教大学に肩代わりしてもらえる、なんてことはまったくないわけなんですけど、なにしろ名張市です。
ここ名張市においては官民双方、あろうことか図書館も含めて、乱歩関連資料の収集というのがどんなことなんだか、まったく理解することができないというありさまでした。
ですから、いやー、名張市立図書館もこれまでいろいろ努力してまいりましたが、このたび立教大学が乱歩の蔵書とか乱歩邸の土地建物とか、みんなひっくるめて管理してくれることになりましたので、あとのことはすべて立教大学におまかせすることにして、名張市立図書館は乱歩関連資料の収集から手を引くことにいたしました、と公表してしまえば、名張市民にもなんとなく納得してもらいながらうまく幕引きができていたはずなのであって、げんに私など、当時の教育長や図書館長にたいし、じゃーん、名張市は乱歩から手を引けキャンペーンの一環として、その旨をおりにふれて提言したりもしていたのですが、教員委員会からも図書館からも、なにひとつ判断が示されることはありませんでした。
そりゃまあ、判断なんてのは判断力のある人間がくだすべきものであって、名張市役所あたりのみなさんにまともな判断力を期待するのはどだい無理な話ではあるわけなんですけど、それにしてもじつに惜しいことをしたものです。
もっとも、千載一遇のチャンスは逸してしまったというものの、名張市の場合、手を引くのはお手のものです。
ここで思い出されますのは、みごとなまでの大失敗に終わったまちなか再生事業において、みずから発足させた名張まちなか再生委員会から、引きます、とただそれだけをひとことほざいてすたこら脱退してしまった名張市の逃走劇ですが、いくらあの委員会における組織運営のでたらめさが白日のもとにさらされたからといって、あそこまでなりふりかまわず主体性を放棄してしまい、なおかつ恬として恥じるところがないという芸当ができるわけなんですから、乱歩関連資料の収集から手を引きます、くらいのことは、名張市には朝飯前でいってのけられることでしょう。
だからもうはっきりと、手前どもは無能かつ怠慢でございますので、乱歩関連資料の収集なんてとてもできません、そもそもやる気がありません、ですからここらで乱歩からすっぱり手を引くことにいたします、といってしまえばいいのではないか、そうするしかないのではないか、そうすることで名張市立図書館は楽になることができ、無能と怠慢の楽園として存続することが可能になるのではないか、といった結論に達してしまいそうな勢いではあるのですが、しかし、もしもそういった結論に達してしまった場合、乱歩コーナーをどうするのか、ということまで考えておかなければなりません。
名張市立図書館に乱歩コーナーがある、ということは、ごく一般的な眼でみれば、わざわざそんなコーナーをつくってるくらいなんだから、乱歩関連資料の収集は明確な方針のもとにおさおさ怠りなく、乱歩にくわしい図書館員なんてのも勤務していて、収集資料の活用もしっかり進められているのだろうな、ということになってしまいます。
つまり乱歩コーナーはいわば看板なわけですから、名張市立図書館が乱歩から手を引くのであれば、乱歩コーナーも閉鎖して、つまりごたいそうな看板は降ろしてしまって、なにかほかのコーナーとして利用することが必要になります。
たとえば札幌市中央図書館では、ロビーにカフェを開設するそうです。
しかも、目的は「障がい者雇用の場を拡充させるとともに、接客等を通じた交流機会を創出すること」とのことで、詳細はこちらでお読みください。
▼札幌市:中央図書館「元気カフェ」の整備について(平成24年度第7回定例市長記者会見資料)(pdf)
図書館と福祉事業がコラボする、というのはなかなか面白い試みですから、名張市もおおいに参考にすべきかと思われます。
しかし、当節、名張市の福祉はこんな状態みたいです。
▼朝日新聞デジタル:【リポートみえ】障害児の手当、資格失効(2012年8月20日)
名張市の「重大な過失と悪意、怠慢」が当該のお母さんから指摘されてるわけですけど、なんかもう、福祉がどうのこうのとはいいながら、われらが名張市のやることにゃ、さのやることにゃ、とどのつまりの結局のところ、人間らしい温かい血がただの一滴も流れてないんじゃね? という気がいたします。
閑話休題。
図書館の話をつづけますと、例の武雄市図書館では館内にスターバックスが開設されることになったそうです。
▼BOOK asahi.com:市立図書館、初のスタバ 本持ち込みOK 佐賀・武雄(2012年8月14日)
ですから名張市立図書館の乱歩コーナーも、斬新な図書館サービスを提供するスペースとしてリニューアルする、みたいなことを考えるべきなのかもしれず、それゆえ私は、これも幻影城プロジェクトの一環として、札幌や武雄など他市の事例をこまめに情報収集している次第ではあるのですが、乱歩コーナーはとにかくあの狭さですから、これといった利用法が思い浮かびません。
しいていえば、名張市立図書館タイ式マッサージコーナー、みたいなことになるでしょうか。
ご閲覧のみなさんも、どんどんアイデアをお寄せくださいね。
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