暑いっす。
きのうのつづきっす。
昨日午後のことですが、というか、いまとなっては一昨日午後のことになるわけですが、名張市役所にほどちかいコメダ珈琲店名張店であるかたにお会いして、乱歩のことをいささかおはなししたのですが……
というところのつづきなんですが、あのコメダ珈琲店名張店はいつ行っても商売繁盛で、ここは名張か? とアイスコーヒー飲みながらふと疑問をおぼえたりしてしまいました。
かてて加えて、お客さんにはお若い衆がえらく多くて、その点でもやはり、ここはほんとに名張か? という疑念を払拭することができなかったわけなんですが、いっぽうこちらはわずかふたりで合計年齢ほぼ百四十歳、というとんでもないテーブルでなにを話していたのかといいますと、名張市で乱歩にかんしてなにかするとしたら、なにをすればいいのか、みたいなことでした。
私はいまやもうそんなことからはすっかり降りてしまっているわけなんですが、一応のアドバイスとして、外部からの視線を考慮してみることも必要ではないか、と申しあげてみました。
つまり、名張市が、名張市外のひとたちから、とくに乱歩に興味や関心をいだいているひとたちから、乱歩にかんして、いったいなにを望まれているのか、求められているのか、それを考えてみるのもいいかもしれない、と進言したという寸法です。
従来、ここ名張市における乱歩関連事業というやつは、乱歩のことをろくに知りもせず、乱歩作品をまともに読んだこともないようなみなさんが、乱歩というビッグネームを利用して小つまらぬ自己顕示を満足させるだけの事業ばかりであったわけで、いいだけひとりよがりな思いつきをご町内感覚でこそこそぶちかまして終わるしかないなさけなさなんですが、そんなとこから一歩も二歩も踏み出して、視点を外在化させてみる、みたいなことも必要なんじゃね? というのが私の意見です。
たとえば、2009年に勉誠出版から刊行された志村有弘さんの編による『江戸川乱歩 徹底追跡』という本があります。
▼勉誠出版:江戸川乱歩 徹底追跡
ここに収められた中沢弥さんの「乱歩の足跡──三重・名古屋・東京・大阪」から引用。
乱歩自身の記憶にある名張は、随分と後になって形成されたものであったことがわかる。したがって乱歩文学の原風景のようなものを期待して名張を訪れてもがっかりするだけであろう。とはいえ乱歩生誕の地への訪問は、全く無駄というわけではない。現在の名張市では、まずは名張市立図書館を訪ねてみるべきだろう。館内には、江戸川乱歩コーナーがあり、乱歩の原稿や遺品を見ることができる。本当に狭いコーナーではあるが、乱歩作品の一端に触れることができる。それに加えて図書館からは『乱歩文献データブック』『江戸川乱歩執筆年譜』『江戸川乱歩著書目録』が刊行され、充実した資料の発信地になっているということが重要だろう。
名張は乱歩にほとんど関係がなく、したがって、乱歩がらみのことを期待して名張市を訪れてもがっかりするだけなんですけど、名張市立図書館は訪れる価値のあるところで、館内には乱歩コーナーが開設されていますし、収集資料をもとに目録も発行していて、充実した情報発信をつづけています、とまさしく外部の視点からご紹介いただいているわけであって、名張市が外部からなにを期待されているのか、といったこともこの文章からうかがうことができますものの、現状はいったいどうなんだろうね、みたいなことはここにいまさら喋々する必要もありますまい。
いまさら喋々するまでもなく、とにかくひどいことになってるわけなのであって、だからこそ、いまこそ、乾坤一擲の幻影城プロジェクト、ということになるわけなんです。
いやいや、コメダ珈琲店名張店で幻影城ブロジェクトのことを話題にしたりはしませんでしたけど、さてさて、どうなるんでしょうね。
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