幻影城ブロジェクト、早くも四日目を迎えましたが、きのうのエントリにちょっとだけ筆を加えておきたいと思います。
▼2012年7月30日:合言葉は、ちゃんとしよーね、でどうでしょう
このエントリに、名張市立図書館のことを、
「そこらの古本屋さんで乱歩の著書を購入し、というのはもちろん市民の血税で購入し、ということなんですけど、それを乱歩コーナーに展示することが資料収集ということだと思っていた、のだろうと思います」
と記したのですが、
「そこらの古本屋さんで乱歩の著書を購入し」
とあるところに、
「そこらの古本屋さんで乱歩の著書を適当に購入し」
と加筆しておきます。
ちゃんとした基準や方針にもとづいて購入するのではなく、あ、乱歩の本だ、とか、あ、乱歩のことが書いてある、とか、そういった適当さで購入し、あとは本棚に飾って、それでおしまい、という寸法です。
どうしてそんなことになるのか、というと、これは名張市立図書館にかぎらず、私の知るかぎり、名張市役所にふつうにみられる光景であり、ということは、たぶん、あなたがお住まいの自治体にもまた、ごくごくふつうにみられることだと思われるのですが、お役所のみなさんには、ちゃんと考えて、ちゃんと決める、ということができないからです。
本来であれば、名張市立図書館がオープンした時点で、考えられ、決められていなければならなかったことが、まったく等閑視されていて、驚くべし、いまにいたるもあいまいなまま、というていたらくです。
だいじなことをほったらかしにしたまま、というか、図書館にとってなにがだいじなのか、それがよくわかっていない、ということだったのだと思いますが、なすべきことをなにもしないまま、乱歩生誕百年が近づいたから、乱歩作品の読書会でも開こうか、とか、あほなことを思いついてうわっつらをとりつくろうことしかできなかった。
ほんとにひどい話です。
ここで、図書館法をみてみましょう。
適当に検索してみると、文科省のページがひっかかってきました。
▼文部科学省:図書館法
第三条をみてみる。
(図書館奉仕)
第三条 図書館は、図書館奉仕のため、土地の事情及び一般公衆の希望にそい、更に学校教育を援助し得るように留意し、おおむね左の各号に掲げる事項の実施に努めなければならない。
一 郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード、フイルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視覚聴覚教育の資料その他必要な資料(以下「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の利用に供すること。
二 図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。
三 図書館の職員が図書館資料について十分な知識を持ち、その利用のための相談に応ずるようにすること。
四 他の図書館、国立国会図書館、地方公共団体の議会に附置する図書室及び学校に附属する図書館又は図書室と緊密に連絡し、協力し、図書館資料の相互貸借を行うこと。
五 分館、閲覧所、配本所等を設置し、及び自動車文庫、貸出文庫の巡回を行うこと。
六 読書会、研究会、鑑賞会、映写会、資料展示会等を主催し、及びその奨励を行うこと。
七 時事に関する情報及び参考資料を紹介し、及び提供すること。
八 学校、博物館、公民館、研究所等と緊密に連絡し、協力すること。
乱歩関連資料を収集いたします、というのであれば、この条文に照らして、いったいなにをしなければならなかったのか。
とりあえず、必要な資料を収集する。
収集が進んだら、その目録を整備する。
いっぽうで、資料についてじゅうぶんな知識をもち、その利用のための相談に応じることも望まれる。
また、読書会を主催したり、奨励したりしてもいい。
ところが、名張市立図書館は、読書会でもやるか、と思いついただけで、あとはなにもできていませんでした。
なぜか。
乱歩関連資料を収集いたします、といいながら、乱歩関連資料ってのがどんなものだか、ちゃんと考えて、ちゃんと決める、ということをしなかったからです。
しなかった、というより、できなかったからです。
できなかった、というより、そんなことしなくちゃならない、なんて思ってもいなかったからです。
なぜか。
あほだったからです。
あーこれこれ。
あーこれこれ。
あーこれこれあほのみなさんあほのみなさん。
あーこれこれあほのみなさんや、でおなじみなのは名張市教育委員会のみなさんですが、なんのなんの、ここ名張市におけるあほのみなさんは名張市教育委員会のみなさんのみにとどまるものではありません。
ほんと、なんでここまであほなんだ? と思わされることがお役所関係ではあっちこっちで多々ある次第なのですが、名張市立図書館も相当なもので、乱歩関連資料を収集します、といっときながら、乱歩のことを知ろうとしない。
だから、なにを収集すればいいのか、基準も方針も明確にすることができませんし、ましてや目録をつくることなど思いもおよばず、もちろんいうまでもないことながら、乱歩関連資料にかんする知識はゼロ、その利用のための相談に応じることなんてまったく不可能です。
なんでそうなのか。
ちっとはちゃんとしましょうね、ちゃんと考えて、ちゃんと決めて、いやいや、ちゃんと考えるその前に、考えるために必要な知識をちゃんと身につけましょうね、みたいなあたりまえの理屈が、お役所ではまったく通用しないからであり、乱歩関連資料を収集するのであれば、とりあえず乱歩のことを知らなくちゃならない、というばかみたいなほどふつうな常識が、名張市立図書館にはまるで理解できていなかったから、ということになります。
というか、いまも理解できていない。
だから、ちゃんとしよーね、なんて合言葉には、やはり意味がありません。
名張市立図書館サイドには、ちゃんとしてもらうことなど、まったく望めません。
だから、合言葉としては、向こうにはなにも求めず、ただひたすら、インチキ図書館をぶっとばせ、みたいなことでいいのではないでしょうか。
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