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平成24・2012年6月12日 中日新聞社
生田斗真 ダークヒーロー 来年公開「脳男」で主演
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2012年6月12日 紙面から
邦画界に前代未聞のダークヒーローが誕生する。第46回江戸川乱歩賞に輝いた首藤瓜於(しゅどう・うりお)氏の「脳男」が映画化され、俳優生田斗真(27)が主演することが11日分かった。並外れた知能と体力で悪を追うが、実は人間としての感情を持たないという難役。生田は喜怒哀楽を表現しない演技という新境地に挑むため、心身を鍛え上げて撮影に臨んでいる。監督は「犯人に告ぐ」「イキガミ」の瀧本智行氏。東宝系で来年2月公開予定。
「脳男」はバットマンや必殺仕事人のように、法で裁けぬ悪人を退治するダークヒーローだが、変身にも道具にも頼らない。外見は普通の男。しかし表情どころか感情がない。驚異の記憶力と痛みを感じない肉体で、多人数が相手でも、体一つで敵を殺していく。
そんな規格外の役に生田が選ばれた理由は、整いすぎた顔立ちだった。
00年の原作発表時から映画化を考えていたという石田雄治プロデューサーは「(10年の)主演映画『人間失格』のポスターを見て、雰囲気が脳男っぽいと思った。美しすぎて無機質な感じ。人間は完璧な顔だと取っ付きにくくて感情がわからない」と説明する。
オファーは2年前。生田は「感情を持たず痛みを感じない殺人マシン。これまで演じた役とは大きく異なる。話をいただいたとき、この作品にすべてを懸けてみようと思った」と振り返る。共演者の演技に対し表情を作るような、通常の俳優の仕事とまったく違う。せりふも少ない。「この作品が自身のこの先の道のりを大きく広げてくれるよう、日々撮影に励んでいます」と決意を語った。
本格的なアクションも初挑戦。生田は7日のクランクインに備え、半年間の格闘技修業を積んだ。「SP」シリーズ主演の事務所の先輩、V6の岡田准一(31)と同じく、ジークンドーやフィリピンの武術「カリ」で体を鍛え上げた。
脳男を追及する刑事役の江口洋介(44)、精神鑑定を行う脳神経外科医役の松雪泰子(39)との、三つどもえの図式もある。松雪が無表情の生田に向かい合い、巧みな質問やウソ発見器で本性を解明しようとする場面は、「羊たちの沈黙」のレクター博士とFBI捜査官をほうふつさせる。松雪は「脚本を読み、緊張感の中で展開される緊密なやりとりに静かな興奮を覚えました。心理描写を繊細に演じていきたい」と語った。
終盤では大病院を舞台に脳男と爆弾魔が対決。富山県の協力により、2年後に取り壊すため今は使っていない5階建ての元総合病院で、実際に建物を爆破することになった。「GANTZ」「男たちの大和/YAMATO」で大規模な爆発を手掛けたスタッフが参加し、ド迫力の撮影を行う。
◆あらすじ 地方都市で無差別連続爆破事件が発生。刑事の茶屋(江口)は犯人・緑川のアジトを突き止めたが、そこにいたのは身元不明の鈴木一郎という男(生田)。共犯者としての精神鑑定を行った脳神経外科医・鷲谷真梨子(松雪)は、一郎の異様さに気づき生い立ちを調べていく。一方、緑川は一郎と真梨子がいる病院に大規模な攻撃を始める。
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