さーあ、武雄市議会、あしたから一般質問なんだけど、どうなるのであろうな。
そう思って、というか、武雄市議会議員の先生がたが図書館問題をどうお考えなのか、みたいなことがわかるかな、と思って、先生がたのブログを探してみたんだけど、ほとんどない。
二十六人もいらっしゃる武雄市議会の議員先生、議員番号順にお名前を検索してみたんだけど、結果はこんなもんやった。
1番 朝長勇議員
▼You-Yu通信:Top
3番 上田雄一議員
▼武雄市議・上田ゆういち ~ただいま奮闘中~:Top
21番 牟田勝浩議員
▼武雄市議会議員(前議長) 牟田勝浩のつれづれなるままに・被災された方に心よりお見舞い申し上げます:Top
この三先生のうちでは、議員番号三番の先生が、11日月曜の一般質問で「武雄市図書館・歴史資料館の今後について」をテーマのひとつとされるらしい。
で、ブログになにをお書きかというと、上のリンク先でご覧いただいたと思うけど、ま、こんなことなの。
「無い知恵を振り絞っています・・・(^_^;)」
「いよいよって時期なのに焦りばかりが・・・(@_@;)」
こらあかんわ。
武雄市の市長さんは、フェイスブックのみならず、ツイッターでも知られたかたでいらっしゃる。
▼Twitter:武雄市長 日本ツイッター学会長 樋渡啓祐
武雄市では、こんな感じでツイッターが利用されている、というウェブニュースがこれ。
▼朝日新聞デジタル:佐賀県武雄市に見る「行政」と「ツイッター」の関係(2010年9月16日)
だったら、議員先生もずいぶんご活用であろうな、と検索してみたら、こんな結果になった。
1番 朝長勇議員
▼Twitter:朝長勇
8番 石丸定議員
▼Twitter:黒ん坊(石丸定)
12番 吉川里已議員
▼Twitter:吉川里己・武雄市議会議員
20番 川原千秋議員
▼Twitter:川原千秋
21番 牟田勝浩議員
▼Twitter:牟田勝浩
ひどいものだ。
議員番号二十番の先生は、わずか二回のツイートでおしまい。
八番の先生にいたっては、なんとゼロだぞ。
なんなんだよ。
ほかにもツイートをおやめになった先生があって、継続していらっしゃるのは十二番の先生だけ、というありさまじゃ。
こらあかんわ。
武雄市の市長さんは、あらゆるものを利用してとにかく手柄を立てたい、と身もだえしていらっしゃるかたらしいから、当然、武雄市の市民も市職員も、そのためのだしにされている、という側面は否定できず、職員のみなさんなど気の休まるひまがないのではないか、と案じられさえする次第なのであるが、市議会議員の先生がたばかりは、笛吹けど踊らず、みたいな状態らしい。
ツイッターをおおいに利用しよう、という市長さんの思いつきは、市職員や市民の一部には受け入れられても、市議会議員の先生がたにはほとんど相手にされなかったようだ。
てゆーか、武雄市議会の先生がた、市長さんの思いつきを受け入れる能力もなければ、そもそもツイッターなんてものに興味がない、ということなのであろうな。
武雄市議会の先生がたは、おそらくはほとんどすべての地方議会がそうであるように、ものすごくあれなみなさんばかりであるらしい。
ということで、武雄市図書館ツタヤ丸投げプロジェクト、結局はつつがなく実現されることになるはずである。
やれめでたいな。
しかし、武雄市図書館、ほんとに大丈夫か。
ここまでの無理筋を押し通したら、必然的に、かなりの結果を求められることになるぞ。
むろん、図書館はつねに、どんなサービスを提供すればいいのかな、みたいなことを考えつづけているべきである。
最近の例では、たとえばこんなのがある。
▼神戸新聞:育児・介護中の市民に郵送貸出 宝塚市立図書館(2012年6月8日)
三重県立図書館の所蔵資料は、こんなふうに活用されてる。
▼朝日新聞デジタル:貴重な書物めくれます(2012年6月1日)
な。
地域の実情や住民のニーズ、あるいは独自に収集した貴重資料、そういったものにもとづいて、どんなサービスを提供すればいいのかな、みたいなことを持続的に考えてゆく、というのが図書館本来の姿であるはずなんだけど、武雄市の場合、表層的で画一的なただの思いつきの域を出ていない、という印象だ。
先日の朝日の記事に即していえば、ということで、こっちのリンクを掲げとくけど。
▼朝日新聞デジタル:佐賀の「ツタヤ図書館」論争に Tカード履歴転用に懸念(2012年6月6日)
こんなことが書かれておった。
同図書館の利用者数は年間約25万5千人。近年、微減傾向のため、休館日を減らすなど対策をとったが、仕事帰りの会社員や若者らの利用が少なかった。そこで武雄市は5月、「ツタヤ」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に管理を委託する計画を発表。議会の同意が得られれば、今年秋から改修工事を始める予定だ。
いつのことかはわからないが、つまり、いまの市長さんのご就任以前か以後かはわからないんだけど、図書館の利用者数が微減傾向にありますなあ、ってんで、武雄市は休館日を減らすなどの手を打ってみたという。
しかし、たいして効果はなかったのであろう。
とくに、「仕事帰りの会社員や若者ら」みたいな層がほとんど反応しなかったらしい。
だったら、どうすりゃいいの? ってことで、ツタヤみたいにすればいいんじゃね? ということになった。
じつに表層的で、画一的で、短絡的な話である。
これもいつかの朝日から引用したところを、しつこくも再度引いておくと、慶應義塾大学教授で図書館情報学がご専門の糸賀雅児さんによれば、
「コスト削減の名の下に指定管理者制度を導入してから10年ほどたつが、依然として『貸出冊数』などの数字が評価される傾向にある。しかし重要なのは、地域の歴史や各種課題の資料を集め、次代に残すという図書館本来の目的が果たされているかという点」
ということになる。
貸し出し冊数、入館者数、といったものは表層的な評価の指標ではあるけれど、絶対的な評価基準ではない、というわけね。
しかし、武雄市は、利用者数で勝負する、ということにした。
市長さんの提案事項説明でも、「図書館の利用者は、もう頭打ち状態になっています」という点がとくに問題視されていた。
それを打開するために、市長さんは「私達がやって参りたいのは、開館時間等の延長、そして、今までに無かった図書館としてのサービスを加える」という方途を選択した。
つまり、休みなしにして、開館時間を延長して、カフェあり、ダイニングあり、雑誌と文具の販売あり、ポイント制カードも利用できる、みたいなサービスによって入館者数を増加に導きたい、と明確な路線を打ち出した。
換言すれば、入館者数というやつを、ほぼ絶対的な評価基準としてみずから選びとった。
図書館本来のサービスには無関係な分野にまで手をひろげ、頭打ちになってる入館者数をアップさせる勝負に出た。
乾坤一擲のプロジェクトに打って出た蛮勇、もとより敬意を表するにやぶさかではないんだけど、この怒濤の攻めがどれだけの結果をもたらすか、ツタヤ丸投げ後の入館者数がどれだけの伸びをみせるか、といったあたり、衆人が環視する具体的な指標としてかなりの数字が求められることになるはずだ。
さーあ、どうなるのであろうな。
とは思うけど、いかんいかん、武雄市にばかり眼が行って、名張市はどうよ、という話がどっかへ行ってしまったから、武雄のプロジェクトはあした以降、しばらく静観することにして、そろそろ名張へ戻るとすっか。
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