書籍
「宝石」一九五〇 牟家殺人事件
編:ミステリー文学資料館
平成24・2012年5月20日初版一刷 光文社 光文社文庫
A6判 カバー 393ページ 本体857円
関連箇所
「抜打座談会」を評す
江戸川乱歩
初出:宝石 昭和25年5月号(第5巻第5号)
p219-232
信天翁通信
木々高太郎
初出:新青年 昭和25年3月号(第5巻第3号)、6月号(第6号)、7月号(第7号)、8月号(第8号)
p233-250
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「抜打座談会」を評す
江戸川乱歩
「新青年」四月号は「探偵作家抜打座談会」というものを発表した。木々高太郎君を中心とし、大坪、永瀬、宮野、岡田、氷川、本間の諸君が、探偵小説本格主義打破の純文学論を高唱したものである。仲間褒めばかりやっていると云われていた探偵小説界に、このような議論が起ることは、おおいに歓迎すべきであり、論議の対象として名前を出された私は、喜んでこれに応答するのが礼儀だと考えるので、この小文を書くこととした。
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信天翁通信
木々高太郎
信天翁通信(一)
一、はるかに城をのぞむ
「幻影城通信」は愛読おく能わざるもの、月を追うごとに、その城はくっきりと空の彼方に浮かび出でて来た。江戸川乱歩の探偵小説へのあこがれが強く出てくればくるほど、探偵小説は純粋になり、排除される可きものは排除されつくし、血の通わぬ、もの言わぬ、美しい人形となって来る。
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▼光文社:「宝石」一九五〇 牟家殺人事件
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