ステージナタリー
平成28・2016年11月30日 ナターシャ
極上文學「人間椅子/魔術師」開幕、乱歩作品を艶やかに表現
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極上文學「人間椅子/魔術師」開幕、乱歩作品を艶やかに表現
2016年11月30日 21:30
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極上文學 第11弾「人間椅子/魔術師」公開場当たりの様子。(撮影:金山フヒト)
「極上文學」シリーズの第11弾「人間椅子/魔術師」が、本日11月30日、東京・全労済ホール / スペース・ゼロで開幕。初日に先がけ、昨日11月29日に公開場当たりとフォトセッションが行われた。
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極上文學 第11弾「人間椅子/魔術師」公開場当たりの様子。(撮影:金山フヒト)
「極上文學」は、日本文学の名作の朗読に、音楽やキャストの動きを加えて魅せるシリーズ。江戸川乱歩作品を題材とした「人間椅子/魔術師」では、脚本を神楽澤小虎、演出をキムラ真が担当する。またキービジュアルは「艶漢」で知られるマンガ家の尚月地が手がけた。
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極上文學 第11弾「人間椅子/魔術師」フォトセッションの様子。(撮影:金山フヒト)
フォトセッションに登場したのは、足立英昭、石井マーク、伊勢大貴、小西成弥、松田洋治、松本寛也、水澤賢人、村田充、ROLLY。「極上文學」に3度目の登場となる魔術師役の松田は、本シリーズについて「読み師はすべてWキャストということが見どころなんでございますが、(今回の)私のお相手はROLLYさん。1回目で同じ役を演じたのは斎藤洋介さんでした。こういうWキャストを決行する、プロデューサーと演出家の勇気と無謀さに敬意を表し、がんばりたいと思います」と思いを明かす。
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極上文學 第11弾「人間椅子/魔術師」公開場当たりの様子。(撮影:金山フヒト)
明智小五郎役の松本は「今年は乱歩イヤー。パブリックドメインになって、いろんな団体さんが江戸川乱歩を取り上げて上演されているかと思いますが、どこの作品にも負けないような極上な乱歩作品に仕上げられたらいいなと思います」と意気込み、今回が初朗読劇となる椅子職人役の石井は「普段は声優として活動しているので、他の皆さんと違ったものをお出しすることができるのではないかなと思いますので、ぜひ僕の回も観にきて欲しいです」と観客に呼びかけた。
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極上文學 第11弾「人間椅子/魔術師」公開場当たりの様子。(撮影:金山フヒト)
魔術師役のROLLYは「私は男子校出身者なので、学生時代を思い出したように非常に楽しくお稽古させていただきました。皆さまに楽しんでいただけることを願います」と稽古を振り返り、佳子夫人役の小西は「なかなか女性役を演じることはないので、品があって、美しくて、かわいらしい女性を演じられたら」と抱負を語る。同じく佳子夫人役を演じる足立は「それぞれの色が違うのがマルチキャスティングの面白さだと思うので、自分の色をしっかり出して、いろんな楽しさを追及できればいいなと思います」と意気込みを述べた。
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極上文學 第11弾「人間椅子/魔術師」公開場当たりの様子。(撮影:金山フヒト)
文代役の水澤は「作品に少しでも貢献できるようにがんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします」と挨拶。明智小五郎を演じる伊勢は「以前出演した『高瀬舟・山椒大夫』は、どちらかというと和のイメージが強かったのですが、今回はちょっと洋風な雰囲気も出せていけたら」とアピールし、椅子職人役の村田は「最高の作品になるように、一生懸命演じたいと思います」と真摯に答えた。
「人間椅子/魔術師」の東京公演は12月4日まで。大阪公演は、12月23日から25日まで大阪・近鉄アート館にて行われ、大阪公演には文代役として長江崚行も出演する。
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極上文學 第11弾「人間椅子/魔術師」
2016年11月30日(水)~12月4日(日)
東京都 全労済ホール / スペース・ゼロ
2016年12月23日(金・祝)~25日(日)
大阪府 近鉄アート館
原作:江戸川乱歩
脚本:神楽澤小虎
演出:キムラ真
出演:足立英昭、石井マーク、伊勢大貴、小西成弥、長江崚行、松田洋治、松本寛也、水澤賢人、村田充、ROLLY ほか
(c)2016 CLIE/MAG.net Andem
▼RAMPO Up-To-Date 2017(2) 平成29・2017年2月
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書籍
少年探偵団 私立探偵明智小五郎
江戸川乱歩
平成29・2017年1月1日 新潮社 新潮文庫10663
Entry
雑誌
ARIA 1月号
平成29・2017年1月1日(平成28・2016年11月28日発売) 第8巻第1号(通巻77号) 講談社
孤島の鬼naked ape
Entry
雑誌
少年マガジンエッジ 1月号
平成29・2017年12月1日(平成28・2016年12月17日発売) 第3巻第1号(通巻16号) 講談社
乱歩アナザー 明智小五郎狂詩曲薫原好江
Entry
雑誌
ヤングマガジン 1号
平成29・2017年1月1日(平成28・2016年12月5日発売) 第38巻第1号(通巻1955号) 講談社
小林少年と不逞の怪人上条明峰
Entry
テレビ
超・少年探偵団NEO
平成29・2017年1月2日 午後9時55分─10時 TOKYO MX
漆黒の使者あらわる!
Entry
ウェブニュース
映画.com
平成29・2017年1月5日 エイガ・ドット・コム
DLEとポプラ社「少年探偵団」のアニメ化
Entry
電子書籍
江戸川乱歩電子全集 第11巻 ジュヴナイル 第2集
江戸川乱歩
平成29・2017年1月6日 小学館 小学館eBooks
Entry
雑誌
すばる 2月号
平成29・2017年1月6日発売 第39巻第2号 集英社
小説家の夢と狂気──江戸川乱歩国際シンポジウム
桐野夏生
解説 乱歩を二〇一六年のパリで読み解く
坂井セシル
Entry
ウェブニュース
ダ・ヴィンチニュース
平成29・2017年1月6日 KADOKAWA
黒木華「そこにいるだけで香り立つ何かを、手に入れられたら」
取材・文:瀧晴巳
写真:冨永智子
Entry
演劇
peeeep
平成29・2017年1月7日、8日
東京芸術劇場シアターイースト(東京都豊島区西池袋1-8-1)
CHAiroiPLIN 踊る小説2ダ・ヴィンチニュース
Entry
テレビ
超・少年探偵団NEO
平成29・2017年1月9日 午後9時55分─10時 TOKYO MX
怪人稼業はじめました
Entry
雑誌
マガジンSPECIAL 1月号
平成29・2017年1月10日(平成28・2016年12月20日発売) 第59巻第3号(通巻3498号) 講談社
TRICKSTERマントヒヒ・ビンタ
Entry
テレビ
TRICKSTER 江戸川乱歩「少年探偵団」より
平成29・2017年1月10日 午前1時5分─1時35分 TOKYO MX
平成29・2017年1月10日 午前2時25分─2時55分 読売テレビ
平成29・2017年1月11日 午前1時30分─2時 BS11
夜光人、乱舞
Entry
ウェブニュース
ダ・ヴィンチニュース
平成29・2017年1月11日 KADOKAWA
江戸川乱歩「少年探偵」シリーズのリメイクアニメ「超・少年探偵団NEO」に大反響!「いい意味で裏切られまくったwww」
Entry
ウェブニュース
日刊ゲンダイDIGITAL
平成29・2017年1月11日 日刊現代
「みんなの少年探偵団」湊かなえ他著
Entry
ウェブマガジン
やわらかスピリッツ
平成29・ 2017年1月13日 小学館
パラフィリア 人間椅子奇譚
佐藤まさき
Entry
ウェブニュース
毎日新聞
平成29・2017年1月13日 毎日新聞社
短い恋文|大切な人へ 鳥羽市民グループ、優秀作品集を発行 /三重
林一茂
Entry
電子書籍
青空文庫
平成29・2017年1月15日
まほうやしき
Entry
ウェブニュース
ザテレビジョン
平成29・2017年1月16日 KADOKAWA
“TRICKSTER”第13話、元には戻れない距離
Entry
ウェブニュース
ステージナタリー
平成29・2017年1月16日 ナターシャ
北園涼が天才少年探偵に、舞台「乱歩奇譚」高橋李依&八島諒らと推理
Entry
テレビ
超・少年探偵団NEO
平成29・2017年1月16日 午後9時55分─10時 TOKYO MX
アニメはつらいよ
Entry
書籍
乱歩アナザー 明智小五郎狂詩曲 2
薫原好江
平成29・2017年1月17日第一刷 講談社
Entry
テレビ
TRICKSTER 江戸川乱歩「少年探偵団」より
平成29・2017年1月17日 午前1時5分─1時35分 TOKYO MX
平成29・2017年1月17日 午前2時─2時30分 読売テレビ
平成29・2017年1月18日 午前1時30分─2時 BS11
螺旋の梯子
Entry
ウェブニュース
PR TIMES
平成29・2017年1月20日 PR TIMES
—死と暗黒、怪奇と恐怖、残酷、異形、廃墟と終末—澁澤龍彦・中井英夫の後継、高原英理が描く本格ゴシック評論『ゴシックハート』、待望の文庫化!
Entry
新聞
朝日新聞
平成29・2017年1月22日 朝日新聞社(名古屋本社、大阪本社)
「M県」各所に息づく乱歩/名張で影絵 ここが始まり〜/没後半世紀 後進に影響なお
小川尭洋
Entry
ウェブニュース
朝日新聞デジタル
平成29・2016年1月22日 朝日新聞社
(書評)『Dの殺人事件、まことに恐ろしきは』 歌野晶午〈著〉
Entry
ウェブニュース
BOOK asahi.com
平成29・2017年1月22日 朝日新聞社
Dの殺人事件、まことに恐ろしきは [著]歌野晶午
末國善己
Entry
ウェブニュース
ザテレビジョン
平成29・2017年1月23日 KADOKAWA
“TRICKSTER”第14話、偽りの探偵団員?
Entry
テレビ
超・少年探偵団NEO
平成29・2017年1月23日 午後9時55分─10時 TOKYO MX
明智の大失態
Entry
ウェブニュース
YOMIURI ONLINE
平成29・2017年1月24日 読売新聞社
短い恋文の作品集 「恋愛成就の坂手島」PR
中村和男
Entry
テレビ
TRICKSTER 江戸川乱歩「少年探偵団」より
平成29・2017年1月24日 午前1時5分─1時35分 TOKYO MX
平成29・2017年1月24日 午前2時4分─2時34分 読売テレビ
平成29・2017年1月25日 午前1時30分─2時 BS11
断罪の甲虫
Entry
書籍
明智小五郎事件簿 Ⅸ
江戸川乱歩
平成29・2017年1月25日第一刷 集英社 集英社文庫
Entry
雑誌
芸術新潮 1月号
平成29・2017年1月25日(平成28・2016年12月24日発売) 第68巻第1号(通巻805号) 新潮社
書物から立ち上がる美丈夫イレブン小谷野敦
絵:木村了子
Entry
ウェブニュース
朝日新聞デジタル
平成29・2016年1月26日 朝日新聞社
悪女・黒木華はつかめない 舞台「お勢登場」
江戸川夏樹
Entry
ウェブニュース
ステージナタリー
平成29・2017年1月26日 ナターシャ
“パノラマ島”を題材とした鵺的「奇想の前提」高木登×寺十吾の再タッグで
Entry
ウェブマガジン
やわらかスピリッツ
平成29・ 2017年1月27日 小学館
パラフィリア 人間椅子奇譚
佐藤まさき
Entry
Blu-ray Disc/DVD
TRICKSTER 江戸川乱歩「少年探偵団」より 1
平成29・2017年1月27日発売 バンダイビジュアル
Entry
ウェブニュース
ステージナタリー
平成29・2017年1月28日 ナターシャ
佐藤永典×田中涼星×石田隼で「孤島の鬼」再び、演出は石井幸一
Entry
書籍
超・少年探偵団NEO
大宮一仁(脚本)、田中啓文(小説)
平成29・2017年1月30日第一刷 ポプラ社
Entry
ウェブニュース
ザテレビジョン
平成29・2017年1月30日 KADOKAWA
“TRICKSTER”第15話、逆転する立場?
Entry
ウェブニュース
三軒茶屋経済新聞
平成29・2017年1月30日 メディア・ヴァーグ
三軒茶屋で倉持裕さん新作舞台 黒木華さん、片桐はいりさんら出演
Entry
テレビ
超・少年探偵団NEO
平成29・2017年1月30日 午後9時55分─10時 TOKYO MX
Entry
雑誌
東京学芸大学紀要 人文社会科学系 I 第68集
平成29・2017年1月31日 東京学芸大学学術情報委員会
西洋近代が日本文化にもたらした空間感覚の変容について 江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」から長谷川町子の『サザエさん』まで
赤司英一郎
Entry
ウェブニュース
YOMIURI ONLINE
平成29・2017年1月31日 読売新聞社
『私の酒』 浦西和彦編
本多正一
Entry
テレビ
RICKSTER 江戸川乱歩「少年探偵団」より
平成29・2017年1月31日 午前1時5分─1時35分 TOKYO MX
平成29・2017年1月31日 午前1時5分─2時35分 読売テレビ
平成29・2017年2月1日 午前1時30分─2時 BS11
Entry
ARIA 1月号
平成29・2017年1月1日(平成28・2016年11月28日発売) 第8巻第1号(通巻77号) 講談社
B5判 718ページ 690円(本体639円)
孤島の鬼
naked ape
原作:江戸川乱歩
第11回
p407─454
▼ARIA:Home
에도가와 간포 결정판 2
江戸川乱歩決定版 2
에도가와 란포(江戸川乱歩)
訳:권일영(クォン・イリョン/権一栄)
2016年7月25日初版一刷 시공사(時空社)
A5判 函 第一分冊223ページ、第二分冊174ページ、第三分冊247ページ 22000ウォン
*函入り三分冊の限定版。一巻本の普及版は未発行
第一分冊
인사의 말(挨拶の言葉)
곤노 빈(今野敏)
파노라마 섬 기담(パノラマ島綺譚)
자작 해설(自作解説)
인간 의자(人間椅子)
자작 해설(自作解説)
거울 지옥(鏡地獄)
자작 해설(自作解説)
第二分冊
대암실 1부(大暗室 一部)
第二分冊
대암실 2부(大暗室 二部)
자작 해설(自作解説)
에도가와 란포에 대하여 1부(江戸川乱歩について 二部)
야마마에 유즈루(山前譲)
옮기고 나서(訳者あとがき)
권일영(クォン・イリョン)
▼SIGONGSA(時空社):에도가와 간포 결정판 2
江戸川乱歩電子全集 第10巻 ジュヴナイル 第1集
江戸川乱歩
平成28・2016年11月25日 小学館 小学館eBooks
本体1400円
イントロダクション
ジュヴナイル 第1集
怪人二十面相
初出・底本:少年倶楽部 昭和11年1月号(23巻1号/1936年1月1日)→12月号(23巻13号/12月1日)*11回連載(休載1回)
少年探偵団
初出・底本:少年倶楽部 昭和12年1月号(24巻1号/1937年1月1日)→12月号(24巻14号/12月1日)*11回連載(休載1回)
妖怪博士
初出・底本:少年倶楽部 昭和13年1月号(25巻1号/1938年1月1日)→12月号(25巻14号/12月1日)*12回連載
大金塊
初出・底本:少年倶楽部 昭和14年1月号(26巻1号/1939年1月1日)→昭和15年2月号(27巻2号/1940年2月1日)*12回連載(休載2回)
『探偵小説四十年』昭和11年度の章より、抜粋 「初めての少年もの」
初出:宝石 昭和30年3月号(10巻4号/1955年3月1日)→4月号(10巻6号/4月1日)
底本:探偵小説四十年3 江戸川乱歩推理文庫55(講談社/昭和63・1988年3月8日)
小松史生子
インタビュー 「少年探偵団シリーズ」の謎と秘密
秋山憲司
江戸川乱歩先生に名探偵の話を聞く
初出・底本:少年倶楽部 昭和12年8月夏休み大増刊(24巻10号/1937年8月15日)
完全復刻『小学六年生』連載/ダイジェスト版江戸川乱歩ダイジェスト 怪人二十面相
伊上勝(文)、中村英夫(絵)
初出・底本:小学六年生 昭和41年4月号(1966年)
ダイジェスト 黄金仮面(前編)
伊上勝(文)、中村英夫(絵)
初出・底本:小学六年生 昭和41年6月号(1966年)
ダイジェスト 黄金仮面(解決編)
伊上勝(文)、中村英夫(絵)
初出・底本:小学六年生 昭和41年7月号(1966年)
江戸川乱歩電子全集オリジナル年譜
書誌情報
▼小学館:江戸川乱歩 電子全集10 少年探偵団第1集
▼2016年5月28日:江戸川乱歩電子全集
Book Bang
平成28・2016年10月 新潮社
小さな謎は、大切なことへの道しるべ―ミステリの巨人が贈る極上の謎解き。〈インタビュー〉北村薫『遠い唇』
瀧井朝世(取材・文)、ホンゴユウジ(撮影)
Home > 特集・インタビュー > 記事
インタビュー
小さな謎は、大切なことへの道しるべ―ミステリの巨人が贈る極上の謎解き。〈インタビュー〉北村薫『遠い唇』
KADOKAWA 本の旅人 [インタビュー/レビュー] (日本の小説・詩集)
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『遠い唇』
著者
北村 薫 [著]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784041047620
発売日
2016/09/30
価格
1,512円(税込)
書籍情報:版元ドットコム
〈刊行記念インタビュー〉北村薫『遠い唇』
「日常の謎」の名手・北村薫さんの待望の新刊が登場!
「謎と解明」をキーワードに集めた7篇からなる本作に込められた思いとは?
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謎と解明の物語を中心に
――新作『遠い唇』は、独立した話になっている7篇を集めた作品集です。初出の掲載媒体もバラバラですね。
北村 あとがきの「ひらめきにときめき」にも書きましたが、今回は謎と解明の物語を中心に集めてあります。「ゴースト」という短篇だけはちょっとテーマとは異なりますが、その他の短篇も、それぞれテイストは違いますね。
――まず、巻頭「遠い唇」は、ある独り身の男性が、何十年か前の学生時代を振り返ります。当時彼はミステリのサークルに入っていて、ひとつ上に姉のように慕っていた先輩がいた。ある時その先輩から届いた葉書には暗号めいたアルファベットの羅列があった……という内容です。
北村 これは“コーヒーと本”というテーマを与えられた時にパッと浮かんだんですね。私が学生時代、ワセダミステリクラブにいた頃のたまり場が、コーヒーにうるさいマスターがいたモンシェリという喫茶店だったんです。追い出しコンパの案内なんかを刷っては、そこで宛名書きをしていたんです。でも、ここに出てくるような、「コーヒーを欲る」という言葉を教えてくれる、字のきれいな先輩はいませんでした(笑)。
今も昔も変わらないんだろうけれど、人にはちょっと言いにくいことがありますよね。先輩も、だからこういう形で書いて送ってきて、「これが分かるあなたかどうか」と問いかけてきたわけです。
――時を経てようやく暗号が解けた時に、取り戻せない時間に気づいてなんとも切ない気持ちになる一篇です。一方、次の「しりとり」は、暗号を解くことによって、温かい気持ちを獲得できます。これは夫を亡くした女性が、生前の夫がふと作った、和菓子を使った暗号の意味を知りますね。
北村 これは和菓子が出てくる短篇を頼まれて書いたものです。大切なことを言わないで去っていった夫が生前、紙の上に和菓子を置いて暗号めいた俳句を作っていた。この最初の二篇は、どちらも「なんであの時直接言わなかったんだろう」と思わせるものですが、そういう経験のある人はいっぱいいるんじゃないでしょうか。いじらしいですよね。
――次の「パトラッシュ」は、ある男女の風景が描かれ、後半には彼らの日常の中での謎解きがありますね。タイトルは、主人公の女性が彼にはじめて会った時、アニメ『フランダースの犬』の少年ネロのように、〈パトラッシュ……僕も疲れたんだ……〉と、背中にもたれかかりたくなったというエピソードからです。
北村 これは最初に、二人がじゃれているような情景があったんですね。ぬいぐるみでもなんでも、毛むくじゃらのものって、何か落ち着く感覚がありますよね。ライナスの毛布と同じですね。それを考えた時に、やはりアニメの名シーンは印象に残っていましたからパトラッシュが浮かんだんです。他にも大声コンテストのエピソードや、謎解きのアイデアなど、いろんな材料を頭の中に浮かべながら書くと、こういう話になるんです。
宇宙人によるトンデモ誤読
――次の「解釈」はまたガラリと変わって、新星探査隊の宇宙人が登場します。彼らは地球の生命体の文化として本に着目するのですが、誤読っぷりがすごくて笑えます。たとえば『吾輩は猫である』の冒頭の「吾輩は猫である。名前はまだ無い」について「名前がないのはおかしい」「夏目漱石という名前があるではないか」という。小説の語り手と著者を混同しているんですよね。
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北村 ネットの書評なんかを見ていると、その本のことを全然分かっていないままに全否定しているものがありますよね。だから解釈は恐ろしくもあり、面白くもあると言えます。それで、訳が分からない解釈をする人を考えて、宇宙人だったら、これはもう普通の人とはまったく違う解釈をするだろう、と。普通は『吾輩は猫である』の「吾輩」を夏目漱石のことだとは思いませんよねえ。でも本当に、これくらいの解釈をして作品を「愚作だ」と言っている人も実際にいるかもしれませんよ(笑)。
――太宰治の『走れメロス』など馴染みのある作品が登場するのも楽しいです。現代作家からは川上弘美さんの『蛇を踏む』。これは踏まれた蛇が人間になって一緒に住む話なわけですから、宇宙人からしたら本当に意味が分からないでしょうね(笑)。
北村 広く知られている作品を選びました。川上さんの『蛇を踏む』は〈ミドリ公園に行く途中の藪で、蛇を踏んでしまった。〉という冒頭が印象に残りますよね。宇宙人からしてみたら、なんだろうこいつらは、となる。
まあ書いているこちらも、宇宙人だったらどう読むだろうかを考えるのは解釈の冒険でしたね。これは間違えるだろうという箇所もあって、たとえば『吾輩は猫である』のなかで魚のサンマが「三馬」と書かれているというのは有名ですよね。『走れメロス』の「竹馬」も宇宙人だったら間違えるだろうな、なんていうことを考えていきました。
――もう、どれもこれも大笑いしました。ぜひ誤読シリーズを書き続けてほしいです。
北村 どうでしょうねえ。宇宙人が『新宿鮫』を読んで「鮫が警察をやっているのか!」と驚くとかねえ(笑)。
――よくパッと出てきますね(笑)。そして次の「続・二銭銅貨」は、江戸川乱歩のはじめての探偵小説であり暗号モノである「二銭銅貨」へのオマージュですよね。語り手の“わたし”のところに乱歩が訪ねてきて、自分が書いた「二銭銅貨」の話を始め、それが暗号解読の話へとつながっていく。北村さんご自身が「二銭銅貨」をお読みになったのはいつ頃ですか?
北村 中学生の頃でしたね。こんな細かいことをよく考えるなあと思いました。でもこの語り手の“私”って誰だろう、などと、なんだか分からないなと思う点もいくつかありました。それとは別に、今回ここに出した暗号のアイデアは前からなんとなく考えていたものだったんです。そのふたつが結びついた話です。
これは本格ミステリ作家クラブ設立10周年記念のアンソロジーを作るという話になった時に、書いた短篇なんです。それで、近代ミステリの出発点になった「二銭銅貨」をもとにして、その中のちょっと理屈に合わないところを取り上げて「裏・二銭銅貨」みたいなものを書いてみようと思ったんです。「続・二銭銅貨」は本格ミステリというものに対しての敬意とオマージュの意味合いもありますし、暗号に暗号で応えるという、いかにも日本的な、主題と変奏みたいなものでもありますね。
――次の「ゴースト」は日常での思い違いを描いたもので、謎解きとはまたちょっと違いますね。
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北村 これは『八月の六日間』の主人公を書くためのデッサン的な意味合いのあった短篇です。これを書いたのはずいぶん前なので、あの小説の主人公をそのまま書いたわけではありませんが。
――『八月の六日間』は、仕事でもプライベートでもさまざまな思いを抱え、心が疲れているアラフォーの女性編集者が、一年のうちに何度か山登りをして心を浄化させていく様子を丁寧に綴った連作集ですよね。この「ゴースト」も、仕事に疲れた女性編集者が主人公ですね。
北村 疲労した心情を書いたものです。『八月の六日間』でも、疲れた主人公が部屋に落ちていた何かの小さな部品を自分の部品が落ちたのかもしれない、と思う場面がありますが、ここでも生きていることでの疲労感があって、主人公はちょっとした間違いや人違いをしてしまう。
――似たような人違いの経験はありますので、「分かる」と思いました。さて、最後の「ビスケット」は、なんと『冬のオペラ』の名探偵、巫さんとあゆみさんが登場しますね。しかもちゃんと年齢を重ねている。これはテレビの犯人当て番組『探偵Xからの挑戦状!』の原作を依頼されたことがきっかけだそうですね。
北村 ずっと書かなかっただけで、頭の中で彼らはあの後こうなるだろうな、というのはあったんです。続篇を書くつもりはなかったのですが、番組からの依頼と、それとは別に『野性時代』からの依頼があり、じゃあ番組の原作を『野性時代』で書けば一石二鳥だと考えた時、『冬のオペラ』の巫弓彦たちが浮かびました。
――あゆみさんがたまたま殺人事件に遭遇し、奇妙なダイイングメッセージの意味が分からず、久々に巫さんに連絡を取ります。巫さんがすぐに推理を披露するのではなく、彼が口にするヒントをあゆみさんがネットで検索して真実に近づいていく展開です。
北村 犯人当て番組ですから、一般の人も推理できるものにしなくてはいけない。しかも、ただ犯人の名前を当てればいいというわけではなく、そこに至る論理の経過が肝心なんですよね。それで、ネットで検索していけば真相が分かるものにしました。従来のパターンなら巫さんが推理を披露してみんなが感心する場面だけ書けばいいので、あゆみちゃんがネット検索して推理する部分は要らないですよね。あくまでも番組向けということで、作者の意図を超えて話ができあがったので、不思議な感じがします。
――ここでも、たどり着く真相がなんとも哀しく、犯人の「いささか本を読み、そして――人生もまた、読みました」という台詞が心に残りました。今回の作品集は暗号モノが多いですね。ひとつひとつ作成するのは大変ではなかったですか?
北村 いいえ、楽ですよ、暗号よりも女心のほうがよっぽど解きがたいでしょう?(笑) 暗号は物語の目的ではなく、要素です。たとえば「遠い唇」のアルファベットにしても「しりとり」の和菓子にしても、暗号の材料と物語が密接に結びついていることが大事だろう、と思いながら書きました。最後に収録された「ビスケット」も暗号モノですが、これも人の心の謎が暗号という形で物語に結びついています。
――そうですよね。だから今回は読後にしみじみとする話が多いですね。
北村 ええ、私も人生を読んできましたから(笑)。
北村薫(きたむら・かおる)
1949年埼玉県生まれ。早稲田大学卒。高校教師として教えるかたわら、89年『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞、2006年『ニッポン硬貨の謎』で本格ミステリ大賞、09年『鷺と雪』で直木賞を受賞。著作に『八月の六日間』『うた合わせ 北村薫の百人一首』など多数。
取材・文|瀧井朝世 撮影|ホンゴユウジ
KADOKAWA 本の旅人 2016年10月号 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
毎日新聞
平成28・2016年3月19日 毎日新聞社
短い恋文|募集計画 「乱歩の恋」で坂手島活性化 /三重
林一茂
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短い恋文
募集計画 「乱歩の恋」で坂手島活性化 /三重
毎日新聞2016年3月19日 地方版
過疎と高齢化が進む鳥羽市の離島・坂手島の活性化に向け、同市に一時滞在した探偵小説の先駆者・江戸川乱歩(1894〜1965年)と同島出身の妻、隆(りゅう)の恋物語を生かそうと、島民らがインターネットで日本一短い「恋文」を募集する計画を進めている。
名張市出身の乱歩は、鳥羽市内の造船所に1917〜19年まで勤務。この間、島の小学校で教べんを執っていた隆と出会って恋に落ち、結婚した。隆の生家を管理する老夫婦によると、隆に宛てた恋文には「志摩はよし 鳥羽はなおよし 白百合の 真珠がごとき 君がすむ」の文言がしたためられていたという。
鳥羽郷土史会員の尾崎徹さん(67)が、乱歩と隆の出会いに着目。計画を進めようと島民らに「恋する鳥羽の会」設立を呼びかけ、発起人会を今月10日に開いた。計画では、思いを凝縮させた40〜50字の恋文を、6月から4カ月間受け付ける。12月に表彰式を行い、毎年、実施したいとしている。【林一茂】
〔三重版〕
チケットぴあ
平成28・2016年11月28日 ぴあ
黒木華×倉持裕。強力タッグで江戸川乱歩の“妖しの世界”に挑む!
尾上そら
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黒木華×倉持裕。強力タッグで江戸川乱歩の“妖しの世界”に挑む!
2016/11/28 16:30配信
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黒木華 撮影:源 賀津己
チケット情報へ
2010年、野田秀樹 作・演出・出演の舞台『表に出ろいっ!』のオーディションで見出され、故中村勘三郎との三人芝居で世に出て以来、舞台と映像の両方で大活躍中の黒木華の最新舞台が決定した。倉持裕が江戸川乱歩の短編8作から、新たに戯曲を編み上げる『お勢登場』がそれだ。
読書好きを公言する黒木の乱歩体験は中学生の頃。「明智小五郎が活躍する“少年探偵団”シリーズなど子ども向けの作品を飛ばし、いきなり『人間椅子』や『芋虫』などを読んでしまったんです。恐ろしくて、でもどこか色っぽい妖しげな乱歩の世界にいきなり触れるという、強烈な出会い方をしてしまいました。『お勢登場』を読んだのは今回のお話をいただいてから。彼女は乱歩の短編一作にしか登場しない女ですが、倉持さんは『押絵と旅する男』を軸に、8つの物語をお勢が旅するように巧みに紡がれているんです。読み進むうちに、本当にお勢が全ての事柄に関わっているような気がしてきてゾクゾクしました。“倉持マジック”ですよね」。
今回が初手合わせとなる倉持の作品では、劇作・演出を手掛けた『窓』(2010年)を観ており、「登場人物同士の関係性がとても緻密で、笑って話していたはずのふたりから不意に、思いも寄らぬ暗い感情がこぼれて来るような瞬間が描かれている。観ているうちにどんどん前のめりに引き込まれて、観劇後は“いつかご一緒できたら”と思っていました」と言う。
続けて「今日伺ったのですが、乱歩はもともと、お勢を明智探偵のライバルにしようと思っていたそうなんです。確かに彼女は頭が良く、具体的な描写はありませんが、きっと姿も美しいのでしょう。どことなく振る舞いに品もあり、そのうえミステリアス。何より、私たち普通の人間には想像できないような価値観を持ち、社会的には悪、犯罪と呼ばれるような行為を冷静に、しっかりと計算しながら遂行していくところが、乱歩作品の登場人物ならではの魅力を放っているんですよね」と語る彼女の瞳までがどこか妖しい光を放ち、既に劇世界に入り込んでいるかに見える。
「戯曲に『私、退屈なの』というセリフがあって、それが私は大好きなんです。そんな風に世の中も自分もどこか遠くから見ているようなお勢の視点は、演じる私にとってもとても興味深いもの。早く実際に演じてみたくてたまりません。と、言えば言うほど、自分で自分のハードルを上げることになってしまいますが」と笑うが、既に準備は万端の様子。乱歩と倉持、ふたりの作家が惚れ込むヒロインに、新たな息吹が吹き込まれるに違いない。
『お勢登場』は2017年2月10日(金)から26日(日)まで東京・シアタートラムで上演。他に福岡、大阪でも公演あり。なおチケットぴあでは東京公演の先行販売を11月29日(火) 午前11時よりインターネットで発売する。
取材・文:尾上そら
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黒木華 撮影:源 賀津己
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黒木華 撮影:源 賀津己
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黒木華 撮影:源 賀津己
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黒木華 撮影:源 賀津己
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黒木華 撮影:源 賀津己
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