Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2014.10.08,Wed
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産経ニュース
平成26・2014年10月4日 産経新聞社、産経デジタル
『繁栄の昭和』筒井康隆著
田中光子
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産経ニュース
平成26・2014年10月4日 産経新聞社、産経デジタル
『繁栄の昭和』筒井康隆著
田中光子
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【編集者のおすすめ】
『繁栄の昭和』筒井康隆著
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『繁栄の昭和』筒井康隆著(文芸春秋)
■生き延びるための最強ツール
傘寿を迎えた著者の8年ぶりの短篇集である。江戸川乱歩や海野十三といった昭和の探偵小説へのオマージュ。リア王役者が舞台上で「君の瞳に恋してる」を歌い踊り、筒井康隆は深田恭子や大江健三郎と共演する。虚実いり乱れた作品世界を自在にあやつる筆致は老練かつ華麗である。
収録作「役割演技」で、老作家が小説論を展開する。
「あらゆる小説を書いてあらゆることを書き尽そうとするんです。(中略)何を書こうが基本は現実のこの世界を表現することになるんだからと思ってね。だけどそれは間違っているのかもしれない」
ええそうよ、あなたのいるここだけが現実の世界じゃないのよ、と受ける美女は、某国を想起させる管理国家で、ある役割を担っている…というのが、小説の筋書きだ。
しかし、私たちも会社や家庭やネット上で、なんらかの「役割演技」を続けているのではないか? 最良のSF的想像力で描き出されたこれらのビジョンは、複雑化した場ごとに私たちに何らかの役割を強いてくる現実世界を生き延びるための最強のツールである、と確信している。
『繁栄の昭和』筒井康隆著
本書には「高清子とその時代」というエッセーが併録されている。「妻に似た女優」の出演映画のVHSを探し、資料を集め、週刊誌の「掲示板」で情報を求める筒井氏。本書の装丁も、著者たっての希望で「エノケンの魔術師」のスチールから高清子の肖像を使用した。もし彼女の消息をご存じの方は、どうかご教示いただきたい。(文芸春秋・1200円+税)
文芸春秋第一文芸部 田中光子
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Posted by 中 相作 - 2014.10.07,Tue
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朝日新聞デジタル
平成26・2014年10月4日 朝日新聞社
(再読 こんな時、こんな本)魅惑の古書ワールド ジュンク堂池袋本店・鎌田伸弘さんに聞く
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平成26・2014年10月4日 朝日新聞社
(再読 こんな時、こんな本)魅惑の古書ワールド ジュンク堂池袋本店・鎌田伸弘さんに聞く
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(再読 こんな時、こんな本)魅惑の古書ワールド ジュンク堂池袋本店・鎌田伸弘さんに聞く
2014年10月4日03時30分
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(1)江戸川乱歩著、1925年(春陽堂書店 江戸川乱歩文庫、税込み484円)
棚に収まりきれずにそこかしこに積み上げられた古書の山。古本屋に歩を進めると、新刊本の本屋さんにはない趣や時間の流れを感じ、何か物語や事件が生まれそうな予感さえも。そんな不思議空間が舞台の4冊を紹介しましょう。
(1)『D坂の殺人事件』は、この作品でデビューを飾った名探偵の明智小五郎が、下町の古…
乱歩自身もそこで古本屋を営んだことがある。実際に起きた出来事がどう盛り込まれているのだろうかと、想像を巡らせてしまう一冊だ。 「古本屋の主人が古本の夜店を出しにいっている間の犯行という設定も、当時の世相を表していて興味深い」と鎌田さんは語る。明智というキャラクターは本作限りのつもりだったが、評判が良く、引き続き登場させることになったという。この乱歩シリーズの表紙を飾るのは、多賀新の銅版画。緻密
Posted by 中 相作 - 2014.10.06,Mon
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YOMIURI ONLINE
平成26・2014年10月3日 読売新聞社
中年の小林少年も…5作家が描く「少年探偵団」
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YOMIURI ONLINE
平成26・2014年10月3日 読売新聞社
中年の小林少年も…5作家が描く「少年探偵団」
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中年の小林少年も…5作家が描く「少年探偵団」
2014年10月03日 16時46分
江戸川乱歩(1894~1965年)の「少年探偵」シリーズを、当代の人気作家5人が現代によみがえらせる――。
そんなユニークな試みが、1冊の短編集としてまとめられ、11月上旬、ポプラ社から刊行される。
タイトルは「みんなの少年探偵団」。今年が乱歩生誕120年にあたるため、同社が、いずれも同シリーズのファンだという湊かなえさん(41)、万城目 学さん(38)、小路 幸也さん(53)、藤谷治さん(50)、向井湘吾さん(25)に、「少年探偵団と怪人二十面相との対決」をテーマにした短編小説の執筆を依頼した。両者が対決すること以外は、各作家に自由に書いてもらったため、原作と同時代を舞台にするものも、その前後を描く作品もある。
2014年10月03日 16時46分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
Posted by 中 相作 - 2014.10.05,Sun
雑誌
小説推理 11月号
平成26・2014年9月27日発売 第54巻第11号 双葉社
A5判 427ページ 定価840円(本体778円)
関連
乱歩と清張
郷原宏
第2回
p80-86
▼双葉社:小説推理
小説推理 11月号
平成26・2014年9月27日発売 第54巻第11号 双葉社
A5判 427ページ 定価840円(本体778円)
関連
乱歩と清張
郷原宏
第2回
p80-86
第二章 廃墟の草
1
昭和二十年(一九四五)八月十五日、日本の長い戦争が終わった。江戸川乱歩は疎開先の福島県保原町(現在の伊達市)で終戦の詔勅を聞いた。玉音はほとんど聞き取れなかったが、その後の報道で次第に事情がわかってきた。米軍が上陸してどんな目にあわされるかわからないというので、老幼婦女が東京から逃げ出しているというニュースも伝わってきた。だが、乱歩は病身ながら前途に光明を見ていた。
▼双葉社:小説推理
Posted by 中 相作 - 2014.10.04,Sat
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朝日新聞デジタル
平成26・2014年9月22日 朝日新聞社
(人生の贈りもの)歌手・俳優・演出家、美輪明宏:5 銀巴里で出会った素顔の文豪たち
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平成26・2014年9月22日 朝日新聞社
(人生の贈りもの)歌手・俳優・演出家、美輪明宏:5 銀巴里で出会った素顔の文豪たち
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(人生の贈りもの)歌手・俳優・演出家、美輪明宏:5 銀巴里で出会った素顔の文豪たち
2014年9月22日16時30分
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一世を風靡(ふうび)していった28歳のころ=美輪さん提供
(79歳)
――作家の三島由紀夫さんとは銀巴里で出会われたんですか
銀座のコーヒー店ですね。1階が喫茶店で2階がクラブになっていて。雑誌社のかたと5、6人でみえて。
「美少年募集」っていう広告がでていた店で。私うぬぼれているので応募したら、一発オーケー。扉をあけると、コーヒーのにおいが強烈…
十七代目中村勘三郎さんが「歌のうまい美少年がいる」って江戸川乱歩さんをつれてらして。それから三島さんが川端康成さんをつれてみえて。川端さんは耽美(たんび)主義で穏やかなかたでした。 ――著名な作家のみなさんと深い交流があったんですね。興味深いお話です 遠藤さんは夜中にゆきづまるでしょ、執筆に。すると、いたずら電話なさるの。いろんな声色使って。それを話したら、三島さんも夜中に電話してきて。
Posted by 中 相作 - 2014.10.03,Fri
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NEWSポストセブン
平成26・2014年9月30日 小学館
美輪明宏 舞台楽屋で「楯の会の青年がいきなり土下座」述懐
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平成26・2014年9月30日 小学館
美輪明宏 舞台楽屋で「楯の会の青年がいきなり土下座」述懐
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美輪明宏 舞台楽屋で「楯の会の青年がいきなり土下座」述懐
2014.09.30 07:00
NHKの連続テレビ小説『花子とアン』のナレーションでおなじみの美輪明宏氏(79)。そんな美輪氏の代表作の一つが舞台『黒蜥蜴』だが、この作品の裏にあった驚きのエピソードをジャーナリスト・青木理氏が聞いた。
──美輪さんは長崎の遊郭街で育ったんですよね。
美輪:水商売の家で、隣が映画館。映画って人生を疑似体験できるんです。フランス、ロシア、ドイツ、アメリカ、監督や俳優もプロ中のプロばかりだった50年代迄の作品を見て、男女の裏側や駆け引きは商売を見て。家に女給さんが20?30人はいて、本や雑誌も山のようにある。
──女給さんが本を読むんですか。
美輪:読んでたんです。みんな貧しいけど勉強して、お互いに教え合って文字を覚えたり。たーくさん本があった。だから江戸川乱歩さんとお目にかかった時、『パノラマ島奇談』や『屋根裏の散歩者』から『人間椅子』まで全部読んでました。それでお話がスムーズにいったんです。
──江戸川乱歩原作、三島由紀夫脚本で美輪さんが主演を務めた舞台『黒蜥蜴』ですね。
美輪:ですから言葉というものは歯ブラシや石鹸箱のように身近にあった。寺山修司君は半年ほど年下ですけど、「あなたのために台本を書いたからやってくれ」と言われて引き受けました。それを見た三島さんが『黒蜥蜴』を是非やってくれって。「寺山のレトリックが多くて難解な芝居を平易に、そして超絶技巧の台詞術で伝えている」っておっしゃってくださってね。
そういえば、三島さんのところの楯の会の青年が楽屋にきたことがありました。いきなり「申し訳ありませんっ」って土下座して。
──いきなり土下座を?
美輪:ええ、「楯の会の者です」って。「どうなすったの?」って聞いたら、「三島先生や川端(康成)先生のような方がオカマごときのファンなのはけしからんから、いいかげんなものだったらメチャクチャにしてやろうと思った」って。でも彼は「コンサートは泣けて仕方なかった。天才たちがファンになったのは分かりました。申し訳ない」って。
──それで?
美輪:わけの分からないオカマがやっているとか、先入観で決めてしまわれているからそうなるんでしょうって言いました。芸能の世界でもそういう方は多いんです。
※SAPIO2014年10月号
Posted by 中 相作 - 2014.10.02,Thu
テレビ
金田一耕助VS明智小五郎ふたたび
平成26・2014年9月29日 午後9時-11時8分 フジテレビ
原作:芦辺拓
プロデュース:牧野正、椿宜和(角川大映スタジオ)、涌田秀幸(角川大映スタジオ)
演出:澤田鎌作
脚本:池上純哉
制作:フジテレビ
「金田一耕助vs明智小五郎ふたたび」 1_2 投稿者 skyscraperghost
「金田一耕助vs明智小五郎ふたたび」 2_2 投稿者 skyscraperghost
▼フジテレビ:『金田一耕助VS明智小五郎ふたたび』
金田一耕助VS明智小五郎ふたたび
平成26・2014年9月29日 午後9時-11時8分 フジテレビ
原作:芦辺拓
プロデュース:牧野正、椿宜和(角川大映スタジオ)、涌田秀幸(角川大映スタジオ)
演出:澤田鎌作
脚本:池上純哉
制作:フジテレビ
キャスト:山下智久(金田一耕助)、剛力彩芽(柳條星子)、渡辺いっけい(日比野警部)、伊藤英明(明智小五郎)
「金田一耕助vs明智小五郎ふたたび」 1_2 投稿者 skyscraperghost
「金田一耕助vs明智小五郎ふたたび」 2_2 投稿者 skyscraperghost
▼フジテレビ:『金田一耕助VS明智小五郎ふたたび』
Posted by 中 相作 - 2014.09.29,Mon
書籍
戦中派復興日記
山田風太郎
平成26・2014年8月10日初版第一刷 小学館 小学館文庫
A6判 カバー 457ページ 別丁1 本体730円
初刊・旧版:平成17・2005年10月10日 小学館
関連
昭和二十六年二月 > p15
昭和二十六年五月 > p57、65、66
昭和二十六年六月 > p75、78、81-83、86、91
昭和二十六年七月 > p99、107
昭和二十六年八月 > p132、137、144
昭和二十六年九月 > p172-174、181、185
昭和二十六年十月 > p203、222、223、225
昭和二十六年十一月 > p229、231、236、239、244
昭和二十六年十二月 > p253、257
昭和二十七年二月 > p279、284
昭和二十七年三月 > p302
昭和二十七年四月 > p313、314
昭和二十七年五月 > p338、344
昭和二十七年七月 > p373、377
昭和二十七年九月 > p401
昭和二十七年十月 > p420
昭和二十七年十一月 > p433、438、441、443
▼小学館:戦中派復興日記
戦中派復興日記
山田風太郎
平成26・2014年8月10日初版第一刷 小学館 小学館文庫
A6判 カバー 457ページ 別丁1 本体730円
初刊・旧版:平成17・2005年10月10日 小学館
関連
昭和二十六年二月 > p15
昭和二十六年五月 > p57、65、66
昭和二十六年六月 > p75、78、81-83、86、91
昭和二十六年七月 > p99、107
昭和二十六年八月 > p132、137、144
昭和二十六年九月 > p172-174、181、185
昭和二十六年十月 > p203、222、223、225
昭和二十六年十一月 > p229、231、236、239、244
昭和二十六年十二月 > p253、257
昭和二十七年二月 > p279、284
昭和二十七年三月 > p302
昭和二十七年四月 > p313、314
昭和二十七年五月 > p338、344
昭和二十七年七月 > p373、377
昭和二十七年九月 > p401
昭和二十七年十月 > p420
昭和二十七年十一月 > p433、438、441、443
▼小学館:戦中派復興日記
Posted by 中 相作 - 2014.09.28,Sun
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毎日新聞
平成26・2014年9月24日 毎日新聞社
SUNDAY LIBRARY:岡崎 武志・評『「らしい」建築批判』『笹の舟で海をわたる』ほか
岡崎武志
Home > 特集・連載 > 記事
毎日新聞
平成26・2014年9月24日 毎日新聞社
SUNDAY LIBRARY:岡崎 武志・評『「らしい」建築批判』『笹の舟で海をわたる』ほか
岡崎武志
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SUNDAY LIBRARY:岡崎 武志・評『「らしい」建築批判』『笹の舟で海をわたる』ほか
2014年09月24日
◇誰のため、何のためのものなのか
◆『「らしい」建築批判』飯島洋一・著(青土社/税抜き2400円)
2020年東京五輪開催にともない、新国立競技場建設が決定。設計者はイラク出身の女性建築家ザハ・ハディド。お祭りムードに乗り、予算を大きく超える巨大建築が出現しようとしている。
しかし、『「らしい」建築批判』で、建築評論家の飯島洋一は、「らしい」をキーワードに待ったをかける。コンペの審査員やクライアントの期待に応えるため、ブランドとして生み出されるのが「らしい」建築だ。著者は建築史の流れをたどりつつ、これを正面から批判する。
そこに働くのは資本主義の力学と設計者の美意識で、土地の歴史や風土、周辺環境は無視される。建築は消費されるアートではない。「何よりも重要なのは、建築はそれを使う人たちのものだという当り前の事実である」という著者の主張はきわめて真っ当だ。
3・11以後、建築に対する飯島の主張は、さらに真剣に受け止められるべきだろう。諸君、祭りも虚栄も終わった。我々は住み良く懐かしい家に帰ろう。
◆『笹の舟で海をわたる』角田光代・著(毎日新聞社/税抜き1600円)
角田光代の『笹の舟で海をわたる』に登場する二人の女性。主婦の左織と料理研究家の風美子。同い年の二人は戦中の疎開先で知り合い、その後再会。妙な縁で、夫同士が兄弟という関係になる。長い昭和が終わり、どちらの夫も死に、子も手を離れた今、二人で住もうと家を探し出すが……。風美子は「不幸なできごとはあったけれど、でも不幸な人ではない」。私は? 友情かライバルか。二人の女性の生き方を、昭和史に乗せて描いた新境地。
◆『優雅なのかどうか、わからない』松家仁之・著(マガジンハウス/税抜き1600円)
デビュー3作目、松家仁之の新作は『優雅なのかどうか、わからない』。雑誌編集者の岡田匡は、48歳にして離婚、古い家を借りて独り身となる。雑木林に建つ地下室つき一軒家。同居人はネコ。気ままな一人暮らしが始まった。新しく住む町で、思いがけず、かつて交際していた女性と出会う。13歳年下の佳奈は、独身のまま同じ町に住んでいた。再燃する思い、中年男の苦渋……期待をこめつつ、ドキドキしながらページをめくる男の恋愛小説。
◆『熊田千佳慕のハイカラ人生記』熊田千佳慕・著(求龍堂/税抜き2000円)
花や虫の驚くべき細密な絵が、老年になって評価された熊田千佳慕。98歳まで生きた。その自伝が『熊田千佳慕のハイカラ人生記』だ。横浜の医者の家に生まれ、ハイカラで裕福な少年時代を送る。軍事教練で、草むらに伏せ、「虫の目の高さで描く」姿勢に啓示を受ける。絵を一枚たりとも売り渡さない貧乏生活の中、独自の画境を見いだす。「いつも、神さまと対話しながら、描いています」。困難をものともせず、ユーモラスな生涯は魅力的だ。
◆『昭和・平成 お色気番組グラフィティ』佐野亨・編(河出書房新社/税抜き1600円)
仕事を忘れて読みふけってしまった。佐野亨編『昭和・平成 お色気番組グラフィティ』は、「11PM」「23時ショー」「トゥナイト」など、男たちの夜を熱くした伝説のお色気番組の研究書。番組の紹介はもちろん、主要関係者へのインタビュー、各種コラムなど、紙面を盛り上げる。宝塚出のお嬢様が「よくわかんないうちに、そういうことに」と、「11PM」アシスタントを務めた朝丘雪路談話は必読。テレビに元気があった時代を実感する。
◆『夢見る部屋』池内紀・川本三郎・松田哲夫/著(新潮文庫/税抜き710円)
じつは岩波文庫より創刊が古い新潮文庫100年を記念して、日本文学の名作を全10巻に収める。編者は池内紀・川本三郎・松田哲夫。第1巻(1914─1923)『夢見る部屋』は、荒畑寒村「父親」、佐藤春夫「指紋」、芥川龍之介「妙な話」、江戸川乱歩「二銭銅貨」など。宮地嘉六「ある職工の手記」はシブいセレクト。「父親」では、大正初期の東京、とくに中央線沿線の描写が興味深い。当時、荻窪を過ぎると「畑と、丘と、雑木林ばかり」だった。
◆『最高齢プロフェッショナルの教え』徳間書店取材班(徳間文庫/税抜き630円)
88歳のパイロット、96歳の喫茶店店主、103歳の声楽家……。これらみな現役のプロ。徳間書店取材班『最高齢プロフェッショナルの教え』は、寄る年波を乗り越えて輝く14人の達人に取材。戦前から70年飛んだ「飛行機の神様」は言う。つねに健康を維持。「今のところ飛行機を降りる理由が見当たりません」。「好奇心を持って『なぜ? なぜ?』と追求」し続けた喫茶店店主。いずれも長年の自信に裏打ちされた、貴重な教えばかり。
◆『ミリオンダラー・アーム』J・B・バーンスタイン/著(集英社文庫/税抜き600円)
人口10億を超える国なのに、野球に関心がない大国インド。しかしどこかに未来の大リーガーがいるはずだ。J・B・バーンスタイン(横山啓明訳)『ミリオンダラー・アーム』は、アメリカのスポーツ・エージェントである著者の発案で始まった、空前のスカウト計画を描いたノンフィクション。郵便も容易に届かぬ村で見つけた二人の少年がアメリカへ。果たして彼らは、大リーグ入りが叶うのか? 本書を原作とする映画が、この秋から全国ロードショー。
◆『金田一家、日本語百年のひみつ』金田一秀穂・著(朝日新書/税抜き760円)
戦前は祖父の京助、昭和は父親の春彦、そして平成が著者と、日本語研究の第一人者の血を受け継ぐ金田一家。平成の金田一秀穂が『金田一家、日本語百年のひみつ』で、一族の歴史と、いまの日本語について語る。最近耳にする敬語的表現を、「コンビニ敬語」と名付け、それがいかにおかしいかを解説。流行語は「言葉を自由に使っているようにみえて、実は逆に言葉によって縛られている」などの指摘が新鮮で、自然に言葉について考えさせられる。
◆『信長と将軍義昭』谷口克広・著(中公新書/税抜き820円)
谷口克広『信長と将軍義昭』は、従来の評価が、信長のもとで傀儡とされてきた足利義昭を、新資料などの検討から、別の光を当てる試み。つまり、京都において、将軍義昭は立派に政治力を行使したと著者は考える。京都を追われ、若江、堺、由良、鞆へと流浪していった義昭は、それでも「京都帰還を思い描いていた」。両雄並び立たず。この二つの個性が、いかに連携し、いかに対立していったか。人間くさい「執念と野望」を歴史から読み込む。
◆『ウルトラマラソンのすすめ』坂本雄次・著(平凡社新書/税抜き760円)
24時間マラソンでおなじみの坂本雄次が『ウルトラマラソンのすすめ』を刊行。42・195キロを超える距離を走るのが「ウルトラマラソン」であり、国内では120ほどの大会が開かれている。長距離走は日本人の感性に合うスポーツであり、高齢のランナーも多い。ランニングの世界は「思いっきり人間臭い」と著者。自身も30歳から走り始め、大きく人生が変わったという。フォームや走り方の具体的なアドバイスがあり、ちょっと走ってみたくなる。
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おかざき・たけし 1957年生まれ。高校教師、雑誌編集者を経てライターに。書評を中心に執筆。近著『上京する文學』をはじめ『読書の腕前』など著書多数
※3カ月以内に発行された新刊本を扱っています
<サンデー毎日 2014年10月5日号より>
Posted by 中 相作 - 2014.09.27,Sat
書籍
岡田鯱彦探偵小説選 Ⅱ 論創ミステリ叢書78
岡田鯱彦
平成26・2014年8月30日初版第一刷 論創社
A5変型判 カバー 392ページ 本体3600円
関連
"江戸川乱歩"の若々しさ
評論・随筆篇 > p347-349
評論・随筆篇 > p350-352
評論・随筆篇 > P360-363
▼Amazon.co.jp:岡田鯱彦探偵小説選〈2〉 (論創ミステリ叢書)
岡田鯱彦探偵小説選 Ⅱ 論創ミステリ叢書78
岡田鯱彦
平成26・2014年8月30日初版第一刷 論創社
A5変型判 カバー 392ページ 本体3600円
関連
"江戸川乱歩"の若々しさ
評論・随筆篇 > p347-349
初出:黄色の部屋《江戸川乱歩先生華甲記念文集》 第6巻第2号 昭和29・1954年10月
心ばかりの花束評論・随筆篇 > p350-352
初出:別冊宝石《江戸川乱歩還暦記念号》 第7巻第9号 昭和29・1954年11月10日
二つの作品の思い出評論・随筆篇 > P360-363
初出:幻影城《江戸川乱歩の世界》 昭和50・1975年7月増刊号 第1巻第7号
"江戸川乱歩"の若々しさ
"江戸川乱歩"……この五文字の活字を、新聞・雑誌その他で見た時に、私は非常に強烈な"若々しい"印象を受ける。
これは三十年前にそうであったように、今でも同じようにそうなのである。
乱歩・江戸川先生といえば、我が国探偵小説界の鼻祖であり、元老である。その老大家のお名前を見て、このような"若々しさ"を感ずるというのは、甚だ常識的でない。或は私の異常神経のためであるかも知れない。
心ばかりの花束
江戸川先生の還暦記念号であるから、この一文は先生のお姿を描いて、その片鱗でも髣髴せしめたいと思って筆をとりあげたのであるが……私には到底そんな力はないので、仕方がないから、小さい時から江戸川先生を遠く心の中に仰ぎ、あこがれていた自分の姿を、なつかしく振り返ってみることにした。
二つの作品の思い出
江戸川先生の作品は年少の時から愛読していたので、その影響というものは大変大きいのに違いない。しかし、自分ではそういうことはなかなか分かりにくいので、ここには、その作品を読んだ時のこちらの状況によって、ひどく印象の深い二つの作品を取り上げて、少しお話をしてみたいと思う。それは「何者」と「パノラマ島奇譚」の二つである。
▼Amazon.co.jp:岡田鯱彦探偵小説選〈2〉 (論創ミステリ叢書)
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