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Posted by 中 相作 - 2014.06.06,Fri
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BOOK asahi.com
 平成26・2014年5月25日 朝日新聞社

本棚探偵最後の挨拶 喜国雅彦さん
 野波健祐
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著者に会いたい

本棚探偵最後の挨拶 喜国雅彦さん

[文]野波健祐  [掲載]2014年05月25日



丸田祥三さん=郭允撮影



著者:喜国雅彦  出版社:双葉社 価格:¥ 3,024

■古本を見ている人が好き

 まず装丁に驚く。いまどき珍しい函(はこ)入り。タイトルは手書きでイラストは安っぽく、おどろおどろしい。
 「古い探偵小説の装丁が好きなんです。特に仙花紙(戦争直後の古紙などを再生した粗悪な紙)本は、ざらりとした紙の手触りが気持ちいい。あの雰囲気を復元したかった」
 熱烈なファンを持つ漫画家が、少年期からの探偵小説への愛を、古書を通じてつづったエッセー。「小説推理」誌で1998年から続いた人気連載で、今作が「冒険」「回想」「生還」に続く第4弾となる。
 「なんでもやってみようの精神」に基づき、『ドグラ・マグラ』の朗読を聞きながら趣味のランニングをしたり、百科事典に化けて本棚に隠れる乱歩作品の場面を再現してみたり。マゾ的少年とサド的少女の純愛物語『月光の囁(ささや)き』の作者だけに、愛の発露がどこかねじれている。
 シリーズ定番となった、マニアたちとの古書探訪や蔵書巡りもそう。一般には理解しがたい古書愛ゆえの珍行動がほほえましく描かれる。「古本好きのわりに探訪先の書棚を見ていないんです。むしろ、本を見ている人を見るのが好き。対象に1・5倍の愛をそそいで書いてます」
 今作は随所に東日本大震災の影がちらつき、帯に「シリーズ完結!」とある。本人も被災地にボランティアとして訪れ、持ち主のいなくなった本の山を前に、心を痛めた。
 「同世代で亡くなる人も増えてきた。本は回り持ちだし、自分がいなくなることを考えると、集めるだけ集めるとはいかなくなりましたね」
 本棚探偵の活躍は終わるのか。タイトルがなぞっているホームズ短編集はもう1冊、あるのだけど。
    ◇
 双葉社・3024円
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