抄録「少年探偵団」～乱歩生誕120年：乱歩世界への橋渡しに 文・挿絵、上田豊太さんに聞く ／三重

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　平成26・2014年4月2日　毎日新聞社

抄録「少年探偵団」～乱歩生誕120年：乱歩世界への橋渡しに　文・挿絵、上田豊太さんに聞く　／三重
　村瀬達男
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抄録「少年探偵団」～乱歩生誕１２０年:乱歩世界への橋渡しに　文・挿絵、上田豊太さんに聞く　／三重

毎日新聞　2014年04月02日　地方版

　◇年配の方も若者も楽しめる連載を

　名張出身の作家、江戸川乱歩（１８９４～１９６５年）の生誕１２０年を機に、３日から毎週木曜の第２伊賀・熊野面で、少年探偵団シリーズのダイジェスト版「抄録『少年探偵団』～乱歩生誕１２０年」を始めます。５回で１話完結とし、６回目以降はシリーズの別作品に移ります。筆者で、挿絵も描くフリーライターの上田豊太さん（４３）＝名張市＝に意気込みを聞きました。【村瀬達男】

　－－乱歩作品との出会いは？

　「小１から、ポプラ社の少年探偵団シリーズの本を図書館で借りて読みました。自分が冒険している感じがして、物語の中に、すーっと入って行った。小学校時代に全４６巻を読破しました」

　－－好きな作品は？

　「４６巻のうち、１～２６巻が子ども向けの作品で、２７～４６巻が大人向けの原作を子ども用にリライトした作品ですが、大人向けでは３２巻『地獄の仮面』が印象的。女性が氷詰めにされたり、子どもが誘拐されたり、めちゃくちゃ怖かった」

　－－少年向けは？

　「５巻『青銅の魔人』かな。ロボットが登場し、子どもはメカニック的な物が好きなので、ひかれました。連載でも取り上げます」

　－－乱歩蔵びらきの会での活動は？

　「劇団『おきつも名張劇場』にいた時、誘われて入会。２００６年、市内の宇流冨志禰（うるふしね）神社で、乱歩作品の劇『断崖』に出演し、１０年には生誕地広場に設けた黒テントで、自作の紙芝居『天空の魔人』を演じました。

　－－今回の連載は５回で１話完結ですね？

　「１回ごとに冒頭と終わりを面白くし、読者が次を読んでくれるよう気を配りました。ただ、原作の複数のエピソードのうち、どれを選ぶかが難しい」

　－－絵の勉強は？

　「独学です。どの場面がドラマチックか考えて描きますが、原作の挿絵と、かぶらないよう気を遣いました」

　－－連載の抱負は？

　「僕と同世代か、上の世代で乱歩を読んだ方は、懐かしさを感じてくれるはず。少年探偵団を知らない若い世代には、乱歩の世界へ橋渡しをし、入門作品として読んでくれたら、うれしいですね」

〔伊賀版〕