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Posted by 中 相作 - 2014.01.25,Sat
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 平成26・2014年1月15日 朝日新聞社

「獄門島」執筆、島に行けず 横溝正史、乗り物恐怖症で
 三浦宏
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「獄門島」執筆、島に行けず 横溝正史、乗り物恐怖症で

[文]三浦宏  [掲載]2014年01月15日



「獄門島」のモデルとされる笠岡市の六島=市提供



横溝正史が「獄門島」の事件現場に借用した千光寺=倉敷市真備町岡田



「獄門島」に登場する了然和尚に扮して金田一耕助ファンの前に現れた千光寺の山本道雄住職=2013年11月23日、倉敷市真備町岡田



著者:横溝正史  出版社:出版芸術社 価格:¥ 2,100

 推理作家、横溝正史(1902~1981)が岡山県倉敷市に疎開中、名探偵金田一耕助シリーズの第2作として書いた「獄門島」。笠岡市沖の六島(むしま)がモデルとされる架空の島が舞台だが、実は横溝は狭い空間が苦手な乗り物恐怖症だった。疎開中も倉敷の中心部や岡山市に数回出かけただけ。「獄門島」は島を訪れることなく、人から聞いた話をもとに書き上げたという。
 「備中笠岡から南へ七里、瀬戸内海のほぼなかほど、そこはちょうど岡山県と広島県と香川県の、三つの県の境にあたっているが、そこに周囲二里ばかりの小島があり、その名を獄門島とよぶ」
 「獄門島」は、こんな書き出しで始まる。
 作品は、江戸川乱歩が探偵小説のおもしろさの3条件として挙げた「発端の不可思議性」「中途のサスペンス」「結末の意外性」を兼ね供え、ファンの間で横溝最高傑作との呼び声も高い。週刊文春が85年と2012年、日本推理作家協会員らにアンケートして選んだ「東西ミステリーベスト100」で、いずれも国内1位に選ばれている。
 横溝は46年、倉敷市真備町岡田の疎開宅周辺を舞台に、金田一の初登場作「本陣殺人事件」を発表した。当初、金田一を主人公にするのは1作だけのつもりだったが、「本陣」が予想以上に好評だったため、出版社から2作目を頼まれた。同時に、以前から孤島を舞台にした小説を書きたいとも思っていた。
 疎開宅近くに、真鍋島での教師経験がある加藤一(ひとし)さん(故人)が住んでいた。加藤さんと親しく付き合い、岡山の風習を教えてもらっていた横溝は、真鍋島の風景も詳しく聞き取った。「獄門島」には「笠岡を出てから三時間、真鍋島を出たころには」という記述もあることから、モデルは六島というのが通説。だが、笠岡市在住の横溝正史研究家、網本善光さん(53)は「本を読んで歩けばわかりますが、作品の雰囲気が感じられるのは真鍋島の方です」と話す。
 「獄門島」で、最初の死体が発見されるのは千光寺。横溝は疎開宅の北東300メートルにある千光寺の名を借り、当時の末永篤仙(とくせん)住職(故人)から曹洞宗の細かい決まりなどを教えてもらった。現在の山本道雄(どうゆう)住職(56)は「石段が50段もないのと、境内が広くないこと以外は、建物の配置などは正確で、僧侶でなければ知らないようなことまで詳しく書いてある。何度も何度も取材を重ねたんでしょうね」と語る。横溝は、千光寺の前に広がる水を張った田園地帯をながめながら、瀬戸内の海をイメージしたらしい。
 寺には毎年、百人近くの金田一ファンが訪れる。昨年11月23日には全国から集まった金田一の仮装行列も立ち寄った。山本住職が「獄門島」の了然(りょうねん)和尚になりきり、ちょうちんを手に石段を下って現れると、大きな拍手が起こった。
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