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Posted by 中 相作 - 2013.11.19,Tue
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日刊SPA!
 平成25・2013年11月14日 扶桑社

【黒木渚】軍隊的女子寮生活はたくましい妄想力を生む!?
 織田曜一郎
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【黒木渚】軍隊的女子寮生活はたくましい妄想力を生む!?

2013.11.14 エンタメ

 今年1月に発売したデビュー曲のPVでは「あたしの心臓あげる」と歌い上げながら血まみれになり、その他の楽曲でも「初潮の血」「骨」「墓」「同じ血を分けて堕ちてきたあなた」など生死を想起させるフレーズがまんべんなく散りばめられた歌詞世界を展開しているアーティスト、黒木渚。そのある種、猟奇的ともいえる世界観から「本人もメンヘラ気質なのではないか」という疑惑を持たれることも多いそうだが、本人は至って健康的な才女。宮崎県の全寮制進学校を経て、福岡県の大学に進学。大学院まで進んだあとは市役所勤務を経てミュージシャンになったと聞けば、その堅実な歩みと現在のバンドのフロントマンという活動のギャップに驚く人も多いのではないだろうか?



黒木渚は本名だが、バンドの名前も「黒木渚」。ベースのサトシ、ドラムスの本川賢治を加えたスリーピースバンドだ。「ボン・ジョビやヴァン・ヘイレンと同じような感じと思っていただければ」とは所属事務所の広報担当氏の弁

「大学ではポストモダン文学を研究していて、『言葉に限界があるから、言葉ですべてを語りつくすのは不可能』、『作品のむこうに作者の姿を見ることはナンセンスだ』というポストモダニズムの潮流が私には染みついていたんです。なので、自分の作品とあたしが結び付けられるっていうことは意識してなかったんですね。デビューして以来、『暗い人なのかな』『黒木渚って怖そう』と思われたみたいで、ラジオとかに出たら『挨拶もできないような、魔女みたいな人が来ると思ってた』と言われたり(笑)。『ああ、作品の向こうに少なからず書いた人の姿を見るんだ』と逆にびっくりしました」

 はきはきと笑いながらしゃべる彼女には、暗さはまったく感じない。本人が語るように「作品は作品」なのだろう。

 例えば、『骨』という曲は出だしから「死んだ後でも 楽しめるように 墓石に点数を彫ろう」という「この人は何を言っているんだろう」と驚くような歌詞で始まる。しかし、曲調はとても明るく、「今をしっかり生きよう」というメッセージが込められている曲だ。こういった、いわば「人生応援ソング」的な作品にも「骨」や「墓」といった単語が埋め込まれているあたりなどは、黒木渚の真骨頂とも言える。

 実はこの曲はバンドメンバーと行っている「墓石ダービーゲーム」という遊びが作品作りのきっかけとなっている。飲み会で「自分の人生の点数を墓石に彫ったら面白いんじゃないか」という会話からはじまったゲームだそうで、黒木渚の現在の点数を聞いてみると「ずっと100点ですね」と笑う。そう、やはり本人は至ってポジティブな性格なのだ。

 その黒木渚の作品は現状、すべて女性が主人公だが、別々の人物が主役となっており短編小説のような世界を展開している。特に小説性が高いのが『クマリ』という作品で、ネパールで満月の日に生まれた少女が選ばれ、初潮を迎えるまでクマリと呼ばれる「生きた女神」として信仰の対象になるという風習を題材に描かれたものだ。

「テレビを見ていた時代なので、小学生6年生までの間にテレビでクマリの存在を知り、ずっとひっかかっていたんですね。大学生になって恋愛を経験する中で、付き合う人に『何を考えているかわからない』と言われることが多くて。そのときにクマリのことを思い出したんです。クマリは物心ついたときから神様として生きていくから、笑ったり泣いたりといった子供らしい表現の仕方を学べないって聞いていたので、『もしかして私と似ているところがあるのかな』という着想から、彼女が初潮を迎えて神でなくなったときにどういう感情になるのかを想像して書いたんです」

 この「テレビを見ていた時代」というのも黒木渚を知るキーワードだ。彼女が中高と全寮制の学校に通っていたことは前述したが、この寮では「テレビもマンガもすべて禁止。勉強だけしていればいい」といった厳しい生活だったようで、ここでの「抑圧された経験」が、彼女の妄想力をたくましく鍛えたようだ。

「軍隊のような生活でしたね。部活も禁止で脱落していくコも多かったです。勉強部屋と生活する部屋が分かれていて、帰寮して全員点呼が終わると部屋の電気がつかなくなるんです。だから全員勉強室に行かなくちゃいけない。ライフラインを操作することで動きをコントロールされていたんですよ(笑)。こっそり借りたマンガとかを読みたいんですけど、勉強室では読めないので、エアコンの電源だけは生きていることを見つけて、そこから延長コードで電気をひいて、スタンドライトでこっそりマンガを読んだりしてましたね。それで朝起きたら、布団が燃えていたこともあります(笑)」

 ちなみにそのとき読んでいたマンガも『源氏物語』をマンガ化した『あさきゆめみし』だというから、どこまで真面目なんだとツッコみたくなる。こっそり回ってくるマンガ以外の娯楽も図書館の本ぐらいしかなかったそうで、「江戸川乱歩の『屋根裏の散歩』や『芋虫』『人間椅子』などを読み漁っていました」というから、現在の歌詞世界のベースがこの時期に培われたのは間違いなさそうだ。また、読書は今もよくするそうで、江戸川乱歩のほかにも京極夏彦や村上春樹などからライトノベルまで守備範囲はまんべんなく広いとのこと。

 その確かな歌唱力と、一度聴いたら耳に残り何度も聴いてしまう楽曲で注目を集めている黒木渚。歌のみならず、いずれ小説なども書いてくれるのではないか、と期待してしまうが、今は「黒木渚の真実はライブにある」とライブに集中している時期。まずはその「真実」とは何かを確認しにいくべし! <取材・文/織田曜一郎(本誌)>
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